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花マルネットと受講者マイページの違い(その2)/連載:ものづくり人のためのドラッカー[その17]

*2025年6月4日(木)

木々の緑が色濃くなる時期となりましたが、皆様お変わりございませんでしょうか。
本日は、

  • 花マルNetと受講者マイページの違い:花マルNet操作編
  • 新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」その17

について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。

花マルNetと受講者マイページの違いについて~花マルNet操作編~


花マルネット??受講者マイページ??

 
前回は花マルNetの初期登録編についてご案内いたしました。
今回はその続きとなります、「操作編」をご案内いたします。
花マルNetは直感的に操作できるようになっておりますので、
ネットに苦手意識がある方も是非Web提出に挑戦してみてください。




レポート提出について
 
初期登録が無事に終わると、レポートが提出できるようになります。
レポートは、「1か月目レポート」の文字を押下すると問題が表示されるようになっています。
すべての問題を解き終わり、「採点」ボタンを押下するとJTEXに成績が送信されます。
合格点となりますと、その場でご自身の得点と解答・解説が確認できます。
もし、不合格だった場合は、どこが間違ったかをWeb上で確認することはできません。
後日「採点結果」を郵送いたしますので、採点結果で間違えた問題を確認してから再提出に臨んでください。

 

解答一時中断の機能があります
 
解答を途中にしたい場合は、問題が表示されているページの右下にある「一時中断」ボタンから中断することができます。
再開する場合は、必ずトップページの「演習を再開」ボタンから再開するようにしてください。
「1か月目レポート」ボタンを押すと、解答した内容が破棄されてしまいます。
なお、解答内容が破棄される前には警告文が出ますので、前のページに戻るボタンを押してください。

 

提出回数制限を設けています
 
採点結果が不合格の場合は再度テストの入力・採点(再提出)をすることができますが、回数に制限があります。
もし、提出回数の上限に達した場合、自動的には解除されませんので学習サポートグループにお問い合わせください。
 

 

合格済みレポートの復習
レポートが合格点になった後、復習しようと花マルNetにログインしたけれど合格済みの1か月目レポートのボタンが押せなくなっている…と戸惑う方もいらっしゃると思います。
合格済みレポートの採点結果を確認するには、花マルNet画面の左側にある「課題の受験履歴を見る」から解答内容と解説を確認することができます。
また、後日紙面で採点結果と解答・解説をお送りしますので、ご自身の学習スタイルに合わせて復習することが可能です。
(一部、紙面の採点結果が郵送されない講座があります。)

 


以上、JTEXのレポートWeb提出サイト(花マルNet)の
初期登録とシステムの使い方についてご案内いたしました。
Web提出は受講されている方とJTEXでのやり取りとなりますので、
どうしても伝わりにくい部分があるかと思います。

もしご不明な点がありましたら、お気軽にお問合せください。


 

新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」
 ~イノベーションは天才のひらめきではなく、明日に向けた仕事である
                          著者 浅沼 宏和

“ものづくり人“とは、ものづくりに関わる、経営者、技術者・技能者、営業・管理部門までのすべての人を、そう呼んでいます。
この連載はドラッカーの11冊の著書からリベラルアーツとしてのドラッカーをまとめたものです。
どこかに、役に立つ一言が含まれていることと思います。
ぜひ、引き続きご愛読いただきたく、連載を開始いたします。
 
 
 

その17 統計的品質管理(人と設備にかかわる視点)


  

 統計的品質管理(Statistical Quality Control)は古くから知られていた手法です。現在、知られている統計的品質管理は、エドワーズ・デミングやジョセフ・ジュランらによって開発されたものです。日本は、彼らの理論を1950年代以降に積極的に導入していったことで、製造立国の基礎を築くことができたのです。
 統計的品質管理にはさまざまな手法がありますが、調べたい事象を正しく示しているデータを集めて、それを適切なやり方で整理することで品質を確認する点は共通し、そのことにより品質を確認し、高めていくことができます。
 製品の品質に異常が生じた場合、それが設備の故障なのか、あるいは加工時に何か挟まったのか、または材料に不具合があったのかなどといった問題を見つけて、その場で解決することができるようになり、その解決策が製造プロセス全体に及ぼす影響を明らかにすることができます。改善活動とあいまって、こうした効果を日本企業は熱心に追い求め、製品の品質を高めてきました。

 ところがドラッカーは「統計的品質管理の本質的な効果の半分も説明されていない」と指摘しています。企業は統計的品質管理を製造のための単なるツールと見なしているが、それは間違っているというのです。ドラッカーによると、「統計的品質管理は製造現場における社会構造を変えるところに価値があった」といいます。

ドラッカーは、日本の製造業の生産性の高さが世界的に注目を浴びるようになった背景には、統計的品質管理があったと考えました。統計的品質管理によって得た情報に基づいて行動するのは現場の直接工であり、やがて、直接工は業務を自己管理できるようになります。このため、従来ほど間接工の必要がなくなり、日本の製造業の生産性は、間接工の多い米国企業に比して大きく高まったのです。
日本でよく行われている提案制度は、実は米国で先に行われていたといいます。しかし、提案制度が現場で根付いたのは日本でした。日本では、統計的品質管理によって、現場で提案を客観的に評価する情報を入手することができたのに対し、間接工の多い米国企業ではできなかったのです。

ドラッカーは、統計的品質管理の二つのメリットは、
 1.品質と生産性を高める具体的な手法であること
 2.仕事を自己管理させることで仕事のおもしろさをもたらすこと

と指摘しています。

 さて、この二つのメリットは有力な二つのマネジメント理論の特徴です。それは、一つは仕事の合理的な方法を追求するテイラーの科学的管理法で、他方は仕事に関する人間の問題を研究する人間関係論です。かつては、その二つの理論は正反対のものであり、両者は両立できないとされていました。しかし、統計的品質管理はその二つを結びつける役割を果たしたのです。
 
 テイラーの科学的管理法は、製造業に品質と大幅な生産性向上の革命をもたらしました。テイラーの後継者たちは「いずれ欠陥品はゼロとなり、検査工は不要になる」と考えていましたが、製造自体の管理を製造プロセスに取り込むことはできず、依然として十分な検査体制を必要としていました。
 人間関係論では、製造現場で働く直接工の経験と意欲という人間的側面に着目して、品質と生産性の工場を図ろうとしました。しかし、適切な情報がないため、部分的な変更が全体の生産性を向上させたのか、それとも一見改善されたように見えつつ実際には悪化したのかが判断できなかったのです。

 ところが早くからデミングやジュランといった人たちから統計的品質管理を学んでいた日本では、現場に適切な情報がもたらされ、直接工が仕事を自己管理することが可能となったのです。

 仕事を自己管理することこそが、単なる肉体労働者を超えるテクノロジストの特質です。そのためには、品質と仕事のおもしろさの両方をもたらす統計的品質管理の意義をよく理解しておき、継続的改善という知識労働性を盛り込んでいくことが大切です。

次回 その18「原価計算の四つの限界」

著者紹介

 浅沼 宏和
早稲田大学政治経済学部卒、中央大学大学院法学研究科卒、名古屋学院大学 論文博士
社会制度変容の力学 -内部統制制度・リスクマネジメント・コーポレートガバナンス一体化の論理

日本会計研究学会会員
ドラッカー学会会員
(株)TMAコンサルティング 代表
浅沼総合会計事務所 代表 

 
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2025年6月4日