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花マルネットと受講者マイページの違い(その1)/連載:ものづくり人のためのドラッカー[その16]

*2025年5月29日(木)
皆様お変わりございませんでしょうか。
本日は、
- (2週に分けて)花マルNetと受講者マイページの違い
- 新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」その16
について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。
花マルNetと受講者マイページの違いについて~初期登録編~
花マルネット??受講者マイページ??

具体的にどうすれば提出できるのか?
とのお問い合わせをいただくことがあります。
そこで今回は2週に分けてレポート提出サイト(花マルNet)の
初期登録と操作についてご紹介いたします。

まず初めにレポートがWeb提出できる講座かご確認ください

また、最初にお届けした教材に同封されているマークシート用紙と一緒にWeb提出のご案内用紙が入っていれば、レポートがWeb提出できる講座です。
総合ガイドやJTEXホームページでもWeb提出可能かどうか記載がございますのでお申込みの前にご確認いただくことができます。
花マルNetの利用には初期登録が必要です

花マルNetは、エデン株式会社の「eden」というレポートWeb提出システムを使っているため、受講者Myページとは別サイトとなり、システム利用のために初期登録が必要です。
(ちょっとややこしいのですが、エデン株式会社が開発したedenというシステムにJTEXが花マルNetと名前をつけて呼んでいるイメージです。)
花マルNetの初期登録には、
1.JTEXの受講者番号
2.レポート課題集コード
が必要です。メールアドレス、パスワードは受講者が自由に決められます。
レポート課題集コードはどこに記載されている?

初期登録の際にご注意ください

その際、講座ごとに[受講者番号]と[レポート課題集コード]が異なりますので、受講者番号とレポート課題集コードが同じ講座のものかを必ず確認してからご登録ください。
例:「新入社員の君へ~メーカーの基本あれこれ」と『書く力「基本のキ」』をご受講されている場合
-
「新入社員の君へ~メーカーの基本あれこれ」の受講者番号で『書く力「基本のキ」』のレポート課題集コードを登録すると、『書く力「基本のキ」』のT1レポートがWebで提出できるようになります。
しかし、「新入社員の君へ~メーカーの基本あれこれ」の受講者番号で『書く力「基本のキ」』のレポートを提出していることになるため、受講者番号不一致のエラーで、成績を正常に更新することができません。
このように花マルNet上では初期登録・レポートの提出ができたように見えますが、受講者Myページでエラーとなっているため未提出状態となります。
初期登録後にレポート課題集コードの修正はできないため、せっかくレポートをご提出いただいていても花マルNetを初期化(受講者データ削除)することになりますので、初期登録の際は必ずご確認ください。
Web提出レポート+郵送専用レポートの組み合わせ講座があります

前出の『書く力「基本のキ」』など、Webと郵送レポートの組み合わせ講座をご受講の方はご注意ください。
なお、組み合わせ講座の方は、花マルNetで「〇か月目は記述式です」と必ず注意喚起していますので、郵送用レポートや提出用封筒を紛失されないようご注意ください。
これで初期登録が完了いたしました。
次回はいよいよ、レポートを提出する「操作編」です。

新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」
~イノベーションは天才のひらめきではなく、明日に向けた仕事である
著者 浅沼 宏和
“ものづくり人“とは、ものづくりに関わる、経営者、技術者・技能者、営業・管理部門までのすべての人を、そう呼んでいます。
この連載はドラッカーの11冊の著書からリベラルアーツとしてのドラッカーをまとめたものです。
どこかに、役に立つ一言が含まれていることと思います。
ぜひ、引き続きご愛読いただきたく、連載を開始いたします。
その16 現代的な製造部門の課題

その16は、話が少し難しくなりますが、根本の考え方は知識労働の時に学んだことと一緒ですので、そこを念頭に読んでいただければと思います。
ドラッカーは、20世紀を主導していた製造業の在り方は変わるべきだと考えていました。 世界はすでに「モダン」から「ポストモダン」へと移行したと考え、1990年の時点で、「ポストモダンの工場はまだ建設されていないけれども、その全貌をしめすことはできる」と述べています。
ドラッカーによると、ポストモダンの工場とは最新鋭の設備がそろっている斬新な工場のことではないといいます。それは、まったく、新しい視点に基づいた工場や製造業の在り方のことです。
モダンとは17世紀の哲学者デカルトに始まる近代合理主義の世界観のことです。それは20世紀の製造業を飛躍させた世界観でもありました。
デカルト以来350年以上続いたモダンの世界観には、次のような前提がありました。
全体は部分の合計である。
定量化(数値化)できて初めて理解できたといえる。
モダンの世界観では全体は部分によって規定されていて、全体を知るためにはそれぞれの部分について知る必要があるとされていました。部分を合計するためには定量化(数値化)が前提になっていなければならず、部分についての情報を合計すると全体と一致するはずという考えです。こうしたモダンの世界観は、20世紀後半以降大きく変化したとドラッカーは考えていました。
ドラッカーはモダンとは因果関係に支配される世界観で、ポストモダンの世界では、因果関係ではなく「形態」としてとらえられるようになると説明しています。形態としてとらえるとは、物事を全体として理解することです。
つまり、「部分の合計としての全体」ではなく、「全体を全体として理解しよう」という視点こそがポストモダンの世界観です。部分は全体との関係で理解するものとなります。そのことにより、定量化(数値化)よりも「質」の問題が重視され、全体を「目的」という観点から統一的に理解する必要があるのです。
かつての工場は、近代的組立てラインでさえも、製造を部分の合計としてとらえていました。
ドラッカーは部分の合計を超える全体という視点に立った以下の四つのコンセプトを、現代的な製造の性質をよく表すものとしてあげています。
1.統計的品質管理「人と設備にかかわる視点」
2.活動基準原価計算「時間とカネにかかわる視点」
3.フレキシブル大量生産「標準化と柔軟性という視点」
4.システムズ・アプローチ「機能とシステムという視点」
この四つのコンセプトは、部分のアプローチについてあまり重視していません。成果はプロセス全体を通してあげればよいという立場をとっているのです。一見すると、まったく別々の視点ですが、これらのアプローチは、部分ではなく全体で成果をあげるという点で共通しています。テクニックとして重要なのではなく、誰もが全体の成果に目を向ける必要があることを前提としている点で重要なのです。
部分を超える全体という視点を組織に浸透させるためには、現場への権限委譲が必須となります。現場で働いている者であっても、経営者の目線で事業全体を考えなければならなくなるということです。言い換えると、製造部門のすべての人たちが、人、原材料、設備、時間の調和に責任を持ち、目配りするということです。
新しい製造のためには、生産性が成果であるという認識、そして製造とは現材料を経済的価値に生まれ変わらせるものであるという認識が必要となります。これはドラッカーの考えるマーケティングの視点であり、イノベーションの視点でもあります。つまり、製造がマーケティングやイノベーションを行う部門であるという認識が大切だということです。
ポストモダンの世界では、変化は日常のものとなり、イノベーションの実践は当たり前のこととしてとらえられるようになります。2025年の現在、1990年にドラッカーが予測した世界が、わたしたちの目の前に広がっているのです。
次回 その17「統計的品質管理」
著者紹介
浅沼 宏和
早稲田大学政治経済学部卒、中央大学大学院法学研究科卒、名古屋学院大学 論文博士
「社会制度変容の力学 -内部統制制度・リスクマネジメント・コーポレートガバナンス一体化の論理」
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