メールマガジン

今年も一年ありがとうございました!! /連載:ものづくり人のためのドラッカー[その47]

*2025年12月25日(木)

  
行く年を惜しみつつ、来る年を指折り数える年の暮れとなりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年も1年間、JTEXのメルマガをご覧頂き誠にありがとうございました。

本日は、

  • 今年の御礼
  • 「ものづくり人のためのドラッカー」その47

について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。

  

今年も一年ありがとうございました!!


  

  
    今年もあっという間に年末を迎えました。
    2025年は、物価高やエネルギー問題、デジタル技術の進化など、私たちの暮らしや仕事に直結する変化が続いた一年であったように思われます。
    生成AIの活用が身近になり、利便性が高まっていく一方で、人と人とのつながりや、コミュニケーションの大切さが改めて見直される場面も多く見受けられました。

    2025年は皆様にとってどんな1年だったでしょうか?
    JTEXでは、テキスト型の通信教育と「動画、電子ブック」を組み合わせた学習効果の高い教材構成の構築を推進すると共に「郵送代の無料化」、修了証や領収書のダウンロード機能を含む「受講者Myページのリニューアル」など、さらなるお客様満足度向上へ取り組みを進めてまいりました。


  

  
    来年2026年度について・・・
    政府による人口知能戦略本部が始動しました。「AIを開発・活用しやすい国」をめざし、AIを人と協働するエージェント(代理人)と認識した利活用を進めると共に、AIなどへのソフトウェア投資の重要性が指摘されています。
    製造業では現場熟練者の暗黙知をAIで再現した保守保全が開始され、AIと協働する従業員のリスキリングと共に、「質の高いデータ」を生み出す現場人材の育成が重要になっています。
    このような中、JTEXは働く人の自律的学び直しを支援するため、デジタル教材・サービスと組合わせ、従来型の教科書や講師指導の品質をさらに高め、新しい通信教育の提供に努力していきます。DXに向けAI活用方法や現場の実学、3級から1級までの通信制認定訓練、また各種国家資格取得を準備する通信講座等の提供で、一層の内容の充実強化を図って参ります。


  

2026年度 新規開講講座


  

 4月開講
  • 運行管理者受験合格講座(貨物)
  • 言いたいことが伝わる 大人の言語化講座
  • 電子部品のしくみと役割~見えない「電気」を理解する
 10月開講
  • 考える力を磨く 生成AI活用術(仮称)
  • チームで働く人のためのコミュニケーションUPコース


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尚、2025年12月27日(土)から2026年1月4日(日)までを年末年始の休業期間とさせて頂きます。

通信教育のお申込み・お問い合わせについては、2026年1月6日(火)以降、順次対応いたします。

寒い日が続きますので、体調を崩されないようにくれぐれもご自愛ください。


  

新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」
 ~イノベーションは天才のひらめきではなく、明日に向けた仕事である
                          著者 浅沼 宏和

“ものづくり人“とは、ものづくりに関わる、経営者、技術者・技能者、営業・管理部門までのすべての人を、そう呼んでいます。
この連載はドラッカーの11冊の著書からリベラルアーツとしてのドラッカーをまとめたものです。
どこかに、役に立つ一言が含まれていることと思います。
ぜひ、ご愛読ください。
 
 
 

その47 二つの予算の準備―変化の手順と予算

  

 チェンジ・リーダーになるためには、具体的な行動が必要です。具体的な行動だけが、成果を生むのです。組織が行動する際には、経営資源の投入が必要になります。そこで、ドラッカーは、予算管理の側面から組織がチェンジ・リーダーとして行動するためのポイントを説明しています。それは通常の予算のほかにチェンジ・リーダーとして行動していくための予算を用意するということです。つまり、組織には二つの予算が必要なのです。

1.二つの予算
     ドラッカーは、たいていの企業は一つの予算しか持っていないと言っています。その予算も景気に左右されがちで、好景気には一律に増額され、不況になると一律に減らされる傾向があると言います。ドラッカーは、このような予算管理では未来をつくり出すことはできないと言い、二つの予算を持つことが、チェンジ・リーダーになるための条件と主張しています。

    一つ目の予算は、現在の事業のための予算です。

     この予算は事業を継続していくために、必要最小限のコストを積み上げて設定します。ドラッカーによると、全予算の80~90%を現在の事業のための予算として考えるとバランスが良いと言います。不況になったら、この予算を切り詰める必要があるが、業績が上向いても自動的に予算を増やしてはならないと戒めています。売上や利益の伸び率よりも、この予算を押さえる必要があるのです。

    二つ目の予算は、未来の事業のための予算です。

     これこそが、チェンジ・リーダーになるための予算です。予算措置なくして、チェンジ・リーダーになる具体的な行動を起こすことができません。ドラッカーは、未来のための予算は好不況にかかわらず、一定の規模を保つべきであるといい、適正な規模は全予算の10~20%であると述べています。ドラッカーは、たとえ非営利組織であっても、こうした予算は必要であると考えていました。未来をつくるためには、経営資源の投入が必要だからです。

2.未来のための予算は継続的に考える
     ドラッカーは、「未来のための予算は、かなりの期間、一定のレベルを維持しなければ、いかなる成果もあげられない。」と主張しています。新製品・新サービス・新しい流通チャネルの創造、業務プロセスの開発、人材育成などには、継続的な投資が必要なのです。未来のための予算をなくして、未来を創造することはできません。企業が危機的状況に陥っているとき以外には、景気や業績がどのようであっても、この予算について一定レベルを維持する必要があります。成功を追求するための仕組も、未来を作り出すための予算の対象となります。

     ところがたいていの企業では、こうした未来への予算に目がむけられていません。実際には、通常の事業、特に過去のものとなりつつある事業を維持するために、優先的に予算を充てているといいます。ドラッカーは、過去の事業を維持するために、未来の事業のための予算を削ることは間違っていると述べています。
     未来のための予算がなければ、長期的に事業を継続していくことはできないのです。ただし、駄目になりそうな事業に予算を使うことは間違いですが、現に成功を収めつつある事業には十分な予算が必要です。成功しているものには、さらに力を入れるべきなのです。特にライバルがそうした分野の予算を削っているときほど、一層力を入れるべきなのです。

 予算を現在の視点と未来の視点から柔軟に設定することは、チェンジ・リーダーになるためには必要不可欠です。予期した以上に成果のあがっている分野、機会のある分野に焦点を当て、変化の先頭に立って未来を生み出すためには、そのための予算が欠かせないのです。

次回 その48「変化と継続の調和」

著者紹介

 浅沼 宏和
早稲田大学政治経済学部卒、中央大学大学院法学研究科卒、名古屋学院大学 論文博士
社会制度変容の力学 -内部統制制度・リスクマネジメント・コーポレートガバナンス一体化の論理

日本会計研究学会会員
ドラッカー学会会員
(株)TMAコンサルティング 代表
浅沼総合会計事務所 代表 

 

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2025年12月25日