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4月開講新講座のご案内 /連載:ものづくり人のためのドラッカー[その57]
*2026年3月5日(木)
本日は、
- 4月開講新講座:3講座
- 「ものづくり人のためのドラッカー」その57
について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。
4月開講新講座のご紹介
1.電子部品のしくみと役割~見えない「電気」を理解する!
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スマートフォンやコンピュータをはじめとする電子機器は、私たちの日常に当たり前のように存在しています。では、こうした機器に欠かせない「電子部品」、動力源となる「電気」は、一体どんな役割を果たしているのでしょうか?
★この講座では、電子部品の基本的なしくみやかんたんな電気理論をイラスト・写真で分かりやすく解説!
普段見ることのない電気や電子部品を、目で「見て」理解することができます。
★より理解を深めるための解説動画付き!
はじめて電子部品や電気を学ぶ人でも安心して学習に取り組むことができます。
小さな部品から広がる大きな世界を一緒に探ってみませんか?
2.絵で見てわかるシーケンス制御 動画教材付き
製造業における生産設備は、生産性向上と労働環境の向上や省力化が求められ、コンピュータを含む電気制御による自動化が進められてきています。 機械の動作や順番をコントロールする、シーケンス制御が理解できると、機械の操作が早く理解でき、異常の発見や復帰にもすばやく対応することができます。
本講座は、絵や写真を使ったテキストで、シーケンス制御を使用している身近な機械の自動ドアや洗濯機を例に、シーケンス回路の考え方やそれに使用されている機器の構造および使い方を説明していますが、それに動画教材が加わり、シーケンス回路の動きがよりイメージしやすくなりました。
※ サンプル動画はこちら
3.運行管理者受験合格講座(貨物)
新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」
~イノベーションは天才のひらめきではなく、明日に向けた仕事である
著者 浅沼 宏和

“ものづくり人“とは、ものづくりに関わる、経営者、技術者・技能者、営業・管理部門までのすべての人を、そう呼んでいます。
この連載はドラッカーの11冊の著書からリベラルアーツとしてのドラッカーをまとめたものです。
どこかに、役に立つ一言が含まれていることと思います。
ぜひ、ご愛読ください。
その57 知識を仕事に適用する生産性革命
産業革命以降、知識は製品、道具、製造プロセスに適用されるようになっていき、1880年頃から第二次世界大戦までの間に、知識の適用は次の段階に入りました。
この時代になると、知識は仕事に適用されるようになり、ドラッカーは、それを「生産性革命」と呼びました。
この「生産性革命はテイラーの科学的管理法によってもたらされたもの」でした。テイラーの科学的管理法による生産性革命は、社会を大きく変えたのです。
1.資本家と労働者階級の対立
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18世紀半ばに始まった産業革命は、資本主義の発達と技術革新によって世界を大きく変えました。しかし、それに伴って社会的な問題も生じました。資本家と労働者階級との対立です。カール・マルクスによる資本主義批判が行われ、マルクスは、労働者階級を資本家に搾取される存在と見なしました。
こうして、資本家と労働者階級との階級対立が社会的矛盾点として問題化しました。しかし、実は、こうした労働者階級の人たちも、産業革命以前の時代に比べると生活は改善されていましたが、急速な社会の変化によって現れた階級対立の問題によって、彼らの生活水準が以前より悪くなったという誤解が生まれていたのです。
ドラッカーは、「階級対立は、社会が資本主義へと転換するスピードが前例のないほど速かったために、新たな秩序に対する反発が生まれたのだ」と指摘しています。
2.マルクス理論の前提を崩したもの
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産業革命後、こうした階級的対立が資本主義に不可避であるというマルクスの理論は、当時の思想家のほとんどに同意されていました。
しかし、その後、資本家に搾取され続けることで労働者階級がますます貧乏になり、それを打開するには革命を起こして資本主義を打倒するしかないというマルクスの理論の前提が崩れ去りました。つまり、産業界の生産性が劇的に向上したことで、労働者階級の生活水準が大幅に向上することになったのです。そのきっかけとなったのが、「テイラーの科学的管理法」でした。
テイラーは、19世紀末の資本家と労働者との対立は無意味なものと考えていました。仕事の生産性を改善すれば、労働者はより多くの収入を得られるようになり、資本家との対立も解消されるはずだと考えたのです。
テイラーの科学的管理法が目指したのは、「仕事の生産性を向上させ、その果実を労働者にも資本家も得られるようにする」というものでした。
3.テイラーへの反発
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テイラーが科学的管理法を提唱し始めた頃、特に知識人たちは反感を持ち、テイラーを無視したと言います。その頃はまだ、知識人たちの間で仕事に対する軽蔑の念が残っていたためです。肉体を扱うような仕事は知識人が取り組むべき対象ではないと考えられていたのです。そのため、仕事に知識を適用しようとしたテイラーは支持されませんでした。
さらに、テイラーは労働者階級にも反感を持たれました。仕事は分析不可能であり、一連の反復動作の組み合わせでしかないというテイラーの主張は、熟練労働者の権威をおとしめるものと思われたのです。こうして、テイラーは、労働者組合の批判も受けるようになりました。それまでの常識とされるものを否定することはこのような反発がつきものなのです。
ところが、実際にはテイラーの科学的管理法は、社会を大きく変えました。「生産性が劇的に向上することによって企業の利益があがるようになり、労働者に高い生活水準をもたらした」のです。マルクスは、労働者を資本家に搾取されるだけの存在と考えましたが、テイラーによる生産性革命によって、労働者階級は搾取される存在ではなくなったのです。
4.テイラーの最大の貢献は教育訓練という考え方
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ドラッカーは、知識の歴史において最も影響力を与えたのはテイラーの科学的管理法であったと、主張しています。
テイラーは、「仕事に知識を適用」しました。その「最大の貢献は、教育訓練という考え方を生んだこと」です。テイラーの科学的管理法は、未熟練労働者をたちまちのうちに熟練労働者へと生まれ変わらせるものでした。現代の先進国のすべてと新興国の多くは、テイラーの生産性革命によって恩恵を被っているのです。テイラーによって、産業革命から生産性革命の時代へと移行したと、ドラッカーは考えたのです。
※その9.その10で紹介したフレデリック・W・テイラー(1856~1915)は、ハーバード大学に進学したものの体調を崩し学業を断念して、肉体労働者に転じました。その知性を肉体労働の生産性研究に生かしたのです。
次回 その58「知識知識に適用するマネジメント革命」
著者紹介
浅沼 宏和
早稲田大学政治経済学部卒、中央大学大学院法学研究科卒、名古屋学院大学 論文博士
「社会制度変容の力学 -内部統制制度・リスクマネジメント・コーポレートガバナンス一体化の論理」
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