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オンラインセミナーご参加いただきありがとうございました /連載:ものづくり人のためのドラッカー[その60]

*2026年3月18日(水)

  
桜の開花が待ち遠しい季節になりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?

本日は、

  • 言語化力の無料オンラインセミナーご参加御礼
  • 「ものづくり人のためのドラッカー」その60

について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。

  

無料オンラインセミナーにご参加いただき、ありがとうございました

行われた無料オンラインセミナー「新入社員研修直前 なぜZ世代に言語化力が必要なのか」では、たくさんの方にご参加いただきました。お忙しい中お時間をつくっていただいた皆様、誠にありがとうございました。
アンケートも多数ご回答いただきまして重ねて感謝申し上げます。

特に多くの共感をいただきました内容につきましてご紹介させていただきます。

  
    会議等で発言しない若手社員は考えていないのではなく、思考はあるが、変換ができないだけ、いうなれば変換アダプタがあっていないから出力が出来ない状態 というお話しでした。

    若手社員が沈黙している際の頭の中では、「あ、それ知ってる」「なんか違う気がする」「今言ったら怒られるかな」など断片的な画像、感情、SNS的な短文がカオス状態で存在しています。
    プライベートでは「ヤバい」で通じるが、ビジネスでは「規格」が合わず若手社員は悩んでいます。
     そこで上司のすべきことは「もっと考えろ」と圧をかけることではなく、「変換ツール(言語化の型)」を渡してあげることでその悩みを解決が出来るのです。

  
    だからこそ、これからの時代は言語化能力が重要になってくるのではないでしょうか。
    本セミナーは若手社員にフォーカスしましたが、言語化力は年次関係なく、とても大切なスキルになります。今一度学ぶきっかけになりましたら幸いです。
     
    2026年4月開講の
    JTEX通信教育「言いたいことが伝わる 大人の言語化講座」では、身近なケーススタディで考えることにより、言語化力を鍛えます。
    この講座をご受講いただきますと、言語化力が向上し、言いたいことがどんどん伝わるようになっていきます!
    是非、ご受講のご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」
 ~イノベーションは天才のひらめきではなく、明日に向けた仕事である
                          著者 浅沼 宏和

“ものづくり人“とは、ものづくりに関わる、経営者、技術者・技能者、営業・管理部門までのすべての人を、そう呼んでいます。
この連載はドラッカーの11冊の著書からリベラルアーツとしてのドラッカーをまとめたものです。
どこかに、役に立つ一言が含まれていることと思います。
ぜひ、ご愛読ください。
 
 
 

その60 テクノロジストと情報技術革命


  

 ドラッカーは、インターネットが登場し、情報技術革命が本格化することが確実になったころ、「今後の時代においてますます重要になるのが、テクノロジストである」と考えました。現代のテクノロジストはかつてのテクノロジストとは異なると言います。

1.新しい時代の意識の変化
     ドラッカーが産業革命後に起きた変化を観察した結果、その後に登場した新産業の多くが、蒸気機関にも鉄道にも関係のない分野で起きたことに気が付きました。そのようなことが起きた原因となったのは、産業革命によってもたらされた「意識の変化」にあるというのです。
     「意識の変化とは、具体的には新製品や新サービスを受け入れるだけではなく、その登場を熱烈に歓迎するような時代の雰囲気が生まれてくる」ということです。ドラッカーは、現在進行中の情報技術革命においても、同じように新産業が受け入れられる雰囲気になると考えたのです。
     また、産業革命は初期のテクノロジストを生み出したともいいます。「テクノロジストとは、知識と技能を兼ね備えた存在」です。19世紀になると、そうしたテクノロジストたちが続々と登場して産業革命を推し進めていったのです。ドラッカーは、たとえば電報を発明したモールスや電球の発明で有名なエジソンも、そうしたテクノロジストの一人であると説明しています。
2.テクノロジストへの期待
     情報技術革命の進展によって新たな産業が多数登場する中で、同じようにテクノロジストが大きな役割を果たすと想像されるのです。
     ヨーロッパ大陸では、実業家は長い間、社会的に認められなかったのですが、テクノロジストは1830年から1840年頃には尊敬すべきプロフェッショナルとして認められるようになっていました。テクノロジストたちが産業の変革を推し進めていった結果、ヨーロッパの国々が発展していったのです。
     一方で、英国は米国に抜かれ、次にドイツが抜かれたのですが、その原因は経済や技術ではなく、英国の社会に潜んでいたのです。ドラッカーは、19世紀に英国が失速した原因が、テクノロジストの社会的評価の低さにあったと述べています。他国ではテクノロジストがプロフェッショナルとして遇されたのに対し、英国では職工の地位に置かれたままだったのです。本当の意味で産業革命を起こすためには、テクノロジストの地位を高める必要があるのです。
     ドラッカーは、情報技術革命において、かつての英国のような失敗をしないためにも、「テクノロジストについての社会的価値観を変化させることが重要である」と考えたのです。
     「情報技術革命とは、知識革命」にほかなりません。特にインターネットの出現によって、情報技術革命は新たな段階に入っています。鉄道が登場して以降、産業革命が新たな段階に入り、各分野のテクノロジストたちが産業革命を推し進めていったように、情報技術革命も現代のテクノロジストたちによって押し進められていくのです。
3.認知科学という視点
     ドラッカーは情報技術革命の中で成功を収めるための考え方として、「カギはエレクトロニクスではない。認知科学である。」と述べています。要するに、科学技術そのものよりも、新しいものの見方が大事であるというのです。「新しい時代には、知識に対する新しい視点が必要である」ということです。その中心に位置するのがテクノロジストなのです。

     産業革命が鉄道の登場以降、大きく発展を遂げていくプロセスには、数十年の月日が必要でした。ドラッカーは、これと同様にインターネット登場以降、新たな産業が発展するまでには数十年を要すると考えたのです。産業革命の時代がそうであったように、新たな産業が成長するまでの間には、数多くの失敗や問題に直面することになるはずです。そうした「困難な時代を乗り切るための経営資源がテクノロジストである」とドラッカーは考えたのです。
     ドラッカーは、テクノロジストは単に金銭的な報酬を与えるだけでは動かないと言っています。英国におけるテクノロジストの地位の低さが産業の力を失わせたように、「テクノロジストを尊敬するべき知識労働者として遇すること」が大切なのです。
     これからは、短期的な視点に基づいた経営では10年間も持ちません。長期的な成果をあげるためには、テクノロジストを引き付け、とどまらせ、やる気を起こさせることが大切なのです。それには、テクノロジストを従業員ではなく、パートナーとして遇することが必要であるとドラッカーはいっています。

 ドラッカーは、情報技術革命時代のテクノロジストであるGAFAM(グーグル、アマゾン、メタ、アップル、マイクロソフト)やエヌビディアなどの巨大テック企業の隆盛を見ることはできませんでした。テック企業は世界経済や文化・政治にも大きな影響力を与え続けています。しかし、一方で、米国は製造業のテクノロジストを評価してこなかった結果、ラストベルトに代表される貧困層を生み、ほんの一部の富裕層とその他で構成される社会へと、大きく変化してしまいました。成功したテック企業においても、経営層が巨大な権力を独占し、その下で働くテクノロジストたちが軽んじられるようになることによって、衰退が起きる可能性も高いと考えられます。
 ドラッカーが現在の社会をどう判断するか、聞いてみたいものです。我が国ではテクノロジストは十分に評価されているのか、考えてみましょう。

 次回は最終章、マネジメントの新しい常識に入ります。

次回 その61「マネジメントのパラダイム転換」

著者紹介

 浅沼 宏和
早稲田大学政治経済学部卒、中央大学大学院法学研究科卒、名古屋学院大学 論文博士
社会制度変容の力学 -内部統制制度・リスクマネジメント・コーポレートガバナンス一体化の論理

日本会計研究学会会員
ドラッカー学会会員
(株)TMAコンサルティング 代表
浅沼総合会計事務所 代表 

 

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2026年3月18日