メールマガジン
東日本大震災より15年で学んだこと、そしてこれから /連載:ものづくり人のためのドラッカー[その59]
*2026年3月11日(水)
ひと雨ごとに暖かくなり、春の訪れを感じる今日この頃です。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
本日は、
- 通信教育「自主防災講座 新 災害対応の実践」
- 「ものづくり人のためのドラッカー」その59
について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。
東日本大震災より15年で学んだこと、そしてこれから
“あの日”を経験した人にとっては「もう15年」、震災後に生まれた子供たちにとっては「歴史の1ページ」なる月日です。
15年という歳月は単なる時間の経過ではなく私たちが「震災から何を学びどう意識の変化があったか」を問い直す重要なタイミングといえます。
今一度、東日本大震災で得た教訓を振り返り、いざという時に行動できるように自身の生活環境に合わせた「具体的な避難シュミレーション」を行ってみましょう。
- 「想定外」を想定する重要性
- 「逃げる」を最優先にする決断力
- 非常食や飲料水の備蓄、家具の転倒防止を行う
- 避難計画のすり合わせ 等
あの日を忘れないこと。
そして学びを行動に変えること。
あなたと、
あなたの大切な人が、今日も安全でありますように。
JTEXでは、通信教育講座「自主防災講座 新 災害対応の実践」を2004年より開講しています。大災害の発生とともに改訂行い、さまざまな災害についての知識や防災対策、初動や避難所生活、そして企業防災について事例を入れて説明をしています。
日本の企業や産業が継続していけるよう、この機会に企業防災について学んでみてはいかがでしょうか
新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」
~イノベーションは天才のひらめきではなく、明日に向けた仕事である
著者 浅沼 宏和

“ものづくり人“とは、ものづくりに関わる、経営者、技術者・技能者、営業・管理部門までのすべての人を、そう呼んでいます。
この連載はドラッカーの11冊の著書からリベラルアーツとしてのドラッカーをまとめたものです。
どこかに、役に立つ一言が含まれていることと思います。
ぜひ、ご愛読ください。
その59 情報技術革命とは何か
ドラッカーは現代社会を位置づける最後のものとして情報技術革命(IT革命)について説明しています。ドラッカーは2005年の11月11日に亡くなっていますので、AIと協働する今日の姿を、描くことはできなかったわけですが、それでも情報技術革命についてのドラッカーの深い考察に耳を傾ける価値が十分にあるのです。
ドラッカーはインターネットの歴史的な意義について深く検討し、「現代人にとって。情報技術が何をもたらしたかを理解することが大切である」と指摘しています。
1.産業革命
-
ドラッカーは2000年頃の情報技術革命が1820年代当時と似た点があると考えていました。当時は、蒸気機関が産業用に使われるようになって40年ほど経っており、産業革命が進行中の時期でした。ドラッカーによれば、{産業革命における蒸気機関は情報技術革命におけるコンピュータと同じ位置づけのものであった}というのです。どちらも起爆剤であり、象徴でもあります。
また、多くの人が今日の情報技術革命ほど進行が早く大きな影響を与えた出来事はないと思っているのに対し、実際には産業革命もほとんど同じスピードで進行し、影響の大きさも同じくらいであったと言います。
さらに、産業革命が始まって40年から50年の間に、新たに労働者階級が生まれ、それが1820年代には社会的に大きな存在となっていきました。産業革命は家族のあり方などにも大きな影響を与えていったのです。
しかし、これだけ大きな変革をもたらした産業革命が最初の50年間で成し遂げたことは、産業革命前から存在していた製品の生産を機械化したことだけだったのです。製品そのものは産業革命以前と変わらず、以前のものよりも品質のばらつきがなくなり、欠陥が少なくなっただけだったのです。
2.鉄道のインパクト
-
ドラッカーは産業革命が本当の意味で世界を変えるきっかけになったのは、1829年に新産業として登場した鉄道によるものであったと言います。この鉄道こそが、産業革命を本当の意味での革命にしたものだったのです。
鉄道は人々の心理的な距離を変え、経済を変えていったのです。
鉄道の登場で世界は劇的に変わりました。10世紀半ばまでに、ヨーロッパでは今日の鉄道網のほとんどのものが建設されました。また米国では、19世紀後半まで鉄道ブームが続きました。南米や中国などでは、第一次大戦まで建設ラッシュが続いたのです。鉄道は、人類に本当の意味での移動能力をもたらしました。
ドラッカーは「産業革命において鉄道が果たした役割は、情報技術革命におけるインターネットの役割と同じである」と指摘しているのです。
3.インターネットこそが革命
-
コンピュータに代表される情報技術の進歩が始まったのは1990年代でした。情報技術はその後急速に進歩したのですが、その進歩がもたらしたものは従来行われていたいろいろなプロセスを定型化したことだけでした。さまざまな業界特有の仕事やオフィス事務のためのソフトが開発され、仕事の処理能力が大幅に高まりました。しかし、これらの仕事のプロセスは特に変化しませんでした。情報技術は、時間とコストの大幅な節約をもたらしただけであり、仕事そのものは変わらなかったのです。
しかし、インターネットが登場したことで事情は大きく変わりました。インターネットは、産業革命における鉄道と同じ役割を果たしたのです。インターネットによって世界中がつながり、心理的な距離が消えました。それまでは地元の小さな市場だけを相手にしていた中小企業にも、グローバルな競争力が必要とされるようになりました。ドラッカーは、今後は「競争がもはやローカルなレベルでとどまることはあり得ず、あらゆる企業がグローバル化に対応しなければならない」と指摘しているのです。
ドラッカーは、インターネットが今後どのような影響を与えていくかを予測することは難しいと考えていました。しかし、インターネットがかつてなかった有力な流通チャネルとなったことで、思わぬビジネスが登場するだろうと考えたのです。
「新しい流通チャネルは顧客が誰かを変える、顧客がどのように買うかを変えるだけでなく、何を買うかを変える、消費者行動を変え、貯蓄パターンを変え、産業行動を変え、経済全体を変える」と言っています。
今や、インターネットによって、産業構造だけでなく、仮想通過による金融、SNSによる政治活動など、事態はドラッカーの予想通りに推移しています。
ドラッカーは、鉄道の登場によって産業革命の変化は後戻りできないものとなったように、インターネットも同様の効果をもたらすだろうと述べています。
また、情報技術革命は新産業を次々と生み出すが、それらの多くがコンピュータやインターネット関連ではない幅広い領域から生み出されるだろうと考えていました。ドラッカーは鉄道が産業革命に与えた影響を観察することで、情報技術革命のもたらす方向性を検討したのです。
次回 その60「テクノロジストと情報技術革命」
著者紹介
浅沼 宏和
早稲田大学政治経済学部卒、中央大学大学院法学研究科卒、名古屋学院大学 論文博士
「社会制度変容の力学 -内部統制制度・リスクマネジメント・コーポレートガバナンス一体化の論理」
講座に関するご質問、その他通信教育に関するお問合せは、下記担当者までお願いいたします
2026年総合通信教育ガイドについて
ご請求は下記より受け付けております
「AIは、現場力でこそ生きる。」





