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危険物取扱者とは 01 取得するメリット・業務内容・試験概要等を詳細解説!
危険物取扱者とは
資格概要・取得するメリット・
取得後の業務内容等を詳細解説!
危険物取扱者は、消防法で定められた危険物の取扱いに必要な資格です。危険物を取り扱う一定の製造所、貯蔵所、取扱所等の施設には、危険物を取り扱うために必ず危険物取扱者が必要です。
危険物取扱者の免状は「甲種」「乙種」および「丙種」の3種類があり、免状ごとに取扱うことのできる危険物の種類が分かれています。
「甲種」の免状を取得すると、全ての類の危険物の取扱、定期点検、保安の監督ができます。
「乙種」の場合は、第1類~第6類の危険物のうち、免状を取得した類の危険物の取扱、定期点検、保安の監督ができます。ガソリンをはじめとする第4類の危険物は、品種が最も多く、広い範囲で取り扱われているので、免状取得者はこの第4類が多数を占めております。「乙種第4類」の試験に合格し、免状の交付を受けた者は、第4類の危険物について、取扱いと、取扱作業の立ち合いができ、さらに6か月の実務経験を得ると、第4類の危険物の保安監督者になることができます。また、「丙種」の免状取得者は、「引火性液体(ガソリン、灯油、軽油、第3石油類、第4石油類および動植物油類)の取り扱いができるようになります。
目次
危険物取扱者 試験日程
危険物取扱者試験は、全国一斉に行われるものではありません。危険物取扱者の種類ごとに毎年1回以上、各都道府県の委託を受けて、指定試験機関である(一財)消防試験研究センターが実施します。
詳細は消防試験研究センターの本部または支部にお問い合わせされるか、もしくはホームページをご確認ください。
危険物取扱者とは・取得するメリット
危険物取扱者とは
火災または爆発を起こしやすい物質については、「消防法」によってその製造や貯蔵・取扱いの種類や、技術上の基準などが定められています。この法の目的は、危険物による火災・爆破を予防し、被害を軽減して、それにより広く社会公共の福祉の増進に資することです。
危険物を取り扱う一定の製造所・貯蔵所・取扱所(製造所等)の所有者・管理者・占有者(所有者等)は、消防法第13条により、「甲種危険物取扱者または乙種危険物取扱者で、6か月以上危険物取扱いの実務経験を有するもののうちから危険物保安監督者を定めなければならない」と規定されています。また、製造所等では「危険物取扱者以外の者は、甲種危険物取扱者または乙種危険物取扱者が立ち会わなければ、危険物を取り扱ってはならない」と規定されています。このように、危険物を取り扱う製造所等において、危険物責任者の責務は重要なものといえます。
また、危険物取扱者の免状は「甲種」「乙種」および「丙種」の3種類があり、免状ごとに取扱うことのできる危険物の種類が分かれています。危険物取扱者免状の区分は下記になります。
甲種:第1類~第6類の全ての危険物
乙種第1類:塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類など酸化性固体
乙種第2類:硫化リン、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウムなど可燃性固体
乙種第3類:カリウム、アルキルアルミニウム、黄りんなど自然発火性物質および禁水性物質
乙種第4類:ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類など引火性液体
乙種第5類:有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物など自己反応性物質
乙種第6類:過塩素酸、過酸化水素、硝酸など酸化性液体
丙種:引火性液体
危険物取扱者 取得するメリット
危険物取扱いのプロフェッショナルと認められる
危険物取扱者の資格を取得するためには、危険物に関する法令や規則、消防法、危険物の取扱作業に関する保安に必要な基礎的な物理学、化学、危険物の類ごとの特性や性質など、危険物に関わる広範囲にわたる知識が求められます。その点からも、危険物取扱者の資格保有者は危険物取扱いに関する総合的な知識を身に付けていると公的に認められることとなり、危険物取扱いのプロとして社内でも一目置かれる存在となるでしょう。
また、企業によっては、危険物取扱者の資格の取得を昇進や昇格の条件としているケースも多く見受けられ、現場の責任者など、社内で上位の役職を目指すのであれば、危険物取扱者の資格を取得することは大きなメリットになります。
転職活動において有利になる
危険物取扱者の資格は幅広い業界で需要があります。ガソリンスタンドや石油会社だけではなく、設備管理を行う企業、化学工場、消防士など、有資格者が活躍できる企業は数多くあります。
また資格を持っていると、即戦力として認められるため転職にも有利になります。危険物を取り扱う製造所等では有資格者が必要になるため雇用が安定している傾向があります。
収入がアップする可能性がある
危険物取扱者の資格取得によって、転職や昇進ができた場合に収入がアップする可能性があると共に、企業によっては資格手当が支給されるケースもあります。
危険物を取り扱う一定の製造所、貯蔵所、取扱所等の施設には、危険物を取り扱うために必ず危険物取扱者が必要になるため、資格保有者は優遇されることが多く、基本給のほかに資格手当を設けている場合があります。
危険物取扱者の業務・働く業界
「危険物取扱者」は、危険物の製造所、貯蔵所または取扱所において危険物を取り扱うために必要な資格です。一定数量以上の危険物を扱っているさまざまな職種で需要があります。
具体的には次のような業界で活躍しています。
ガソリンスタンド
危険物取扱者の必要な職場の代表例にガソリンスタンドがあります。ガソリンや灯油などの引火性液体の危険物を取り扱うために、必ず危険物取扱者が必要になります。また、引火性液体の取り扱いには乙種第4類の資格が必要です。
危険物保安監督者
特定の危険物施設については、施設を安全に管理するために保安監督者を選任する必要があります。
具体的には製造所、貯蔵所、給油取扱所、移送などで選任が必要です。
※危険物保安監督者になるには。甲種または乙種の危険物取扱者のうち、製造所等において6カ月以上の危険物取扱いの実務経験を有するものでなければなりません。
化学工場
危険物の製造や、危険物を取り扱う化学工場では、危険物取扱者が必要になります。工場によって、 必要になる資格の種類が異なるので注意しましょう。
上記した業界以外にも、タンクローリー運転手、石油会社、一部メーカー、消防士、設備管理などが、危険物取扱者の資格を活かせる業務といえるでしょう。
危険物取扱者試験について
試験概要と受験資格
試験日 | 都道府県ごとに異なります |
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受験料 | 「乙種」試験の試験手数料は4,600円、「甲種」試験は6,600円(令和4年度) |
試験方式 | 筆記試験 |
試験時間 | 「乙種」試験時間は2時間、「甲種」試験は2時間30分 ※ただし、試験科目一部免除の受験者は時間が短縮されます。 |
受験資格 |
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試験の科目・範囲
(1)「甲種科目・試験範囲」
① 危険物に関する法令 (危険物取扱者の責務を果たすのに必要な程度の知識です)
イ 消防法
ロ 危険物の規制に関する政令
ハ 危険物の規制に関する規則
② 物理学および化学 (大学の一般教育科目程度の難易度です)
イ 危険物の取扱作業に関する保安に必要な物理学
ロ 危険物の取扱作業に関する保安に必要な化学
ハ 燃焼および消火に関する理論
③ 危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法
イ 全ての種類の危険物の性質に関する概論
ロ 危険物の類ごとに共通する特性
ハ 危険物の類ごとに共通する火災予防および消火の方法
ニ 品名ごとの危険物の一般性質
ホ 品名ごとの危険物の火災予防および消火の方法
上記③イ~ホのうち、イは大学の一般教育科目程度の難易度です。ロ、ハ、ニ、ホは「乙種」の同種の科目と同程度か、同程度以上の知識です。
(2)「乙種」
① 危険物に関する法令 (危険物取扱者の責務を果たすのに必要な程度の知識です)
イ 消防法
ロ 危険物の規制に関する政令
ハ 危険物の規制に関する規則
② 基礎的な物理学および基礎的な化学 (高等学校卒業程度の知識です)
イ 危険物の取扱作業に関する保安に必要な基礎的な物理学
ロ 危険物の取扱作業に関する保安に必要な基礎的な化学
ハ 燃焼および消火に関する基礎的な理論
③ 危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法(高等学校卒業程度の知識です)
イ 全ての種類の危険物の性質に関する基礎的な概論
危険物の範囲、類別、品名、共通する性質および他の物質との比較、各類の総括的な性質、相互の比較、関連性などについての知識です。
ロ 第1類〜第6類のうち受験に係る類の危険物に共通する特性
ハ 第1類〜第6類のうち受験に係る類の危険物に共通する火災予防および消火の方法
ニ 受験に係る類の危険物の品名ごとの一般性質
ホ 受験に係る類の危険物の品名ごとの火災予防および消火の方法
(3)「丙種」
① 危険物に関する法令
② 燃焼および消火に関する基礎知識
③ 危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法
イ 丙種危険物取扱者の取り扱うことができる危険物の性質に関する基礎知識
ロ 丙種危険物取扱者の取り扱うことができる危険物の火災予防および消火の方法
試験方法
- 危険物取扱者試験は、筆記試験です。
- 「乙種」試験の問題の形式は五肢択一で、マーク・カードを使います(「甲種」も同様)。
- 問い方は、「正しいものはどれか」、「誤っているものはどれか」、「適切なものはどれか」などです。
- 試験問題は3科目が同時に配布されますので、時間の配分を考えて答えていく必要があります。
- 問題用紙と答案カードは別になっているため、正解欄を塗りつぶす際には、番号を間違えないように注意してください。
問題数・合格基準
「乙種」試験における問題数は次のとおりで、計35問です(「甲種」は45問)。
① 「法令」科目 ……15問
② 「物理・化学」科目 ……10問
③ 「各論」科目 ……10問
合格のためには、全科目において60%以上の正答率が必要です。
試験科目の一部免除
- 「乙種」試験の受験者のうち、受験する類以外の乙種危険物取扱者免状を有する者は、「法令」と「物理・化学」の2科目が免除されます。
- 「乙種第1類」または「乙種第5類」の受験者のうち、火薬類取締法に定める免状(火薬類免状)を有する者は、「物理・化学」と「各論」の2科目の一部が免除されます。
※試験科目一部免除の受験者は、試験時間が短縮されると共に、受験手続の際、免状の写しが必要となります。
ここまで専任資格であり、需要の高い国家資格である「危険物取扱者」に関して各種説明をしてきました。危険物取扱者試験の難易度としては、専門のスクールに通わないと決して取得ができないといった難関資格ではなく、JTEX通信教育を活用した自学自習で十分に合格することが可能です。皆さんも資格取得することでメリットが多い、毒物劇物取扱責任者資格取得に向けて、今日から勉強を始めてみましょう!
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