5月新規開講講座 「健やかに私らしく働く ウェルビーイング入門」 /連載:ものづくり人のためのドラッカー[その4]
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*2025年2月13日(木)
少しづつ日脚が伸びてくる頃となりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は、
- 5月開講の新規講座「健やかに私らしく働く ウェルビーイング入門」
- 新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」その4
について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。
5月新規開講講座
「健やかに私らしく働く ウェルビーイング入門」
「健やかに私らしく働く ウェルビーイング入門」
ウェルビーイングとは?
ウェルビーイングとは、日常の中で、ありのままの自分らしく健やかに、のびのびと生活できることを良い状態(well being)と捉え、「幸せ」と考えることです。
職場においても、周りと協力したり、やりがいを感じたりしながら、意欲的に仕事に取り組めている状態がウェルビーイングであり、仕事に対する満足度が高いことで、生産性の向上や持続可能な職場環境につながります。
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本講座では、働く人のウェルビーイングを目指し、ストレスへの対処やより良い職場づくりを学んでいきます。
なぜいまウェルビーイングなのか?
現代社会は、VUCA時代などと言われます。変化しやすく、不確実で、複雑で、曖昧な世界を表す言葉です。
そんな時代だからこそ、私たち1人ひとりがバランスの取れた良い状態(ウェルビーイング)を大切にすることが重要です。そしてそれが尊重される身近な集団(組織・家族・地域・社会)に所属し、周囲の人や環境に積極的に関わることが、より良い人生や社会を築くことにつながります。
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また、日本企業は長らく続いた経済低迷の中で、賃金の抑制や新規雇用の縮小、非正規雇用の拡大などの人件費削減により企業収益を保つことを迫られ、それが働く人の幸福や職場環境に悪影響を与えてきました。
この反省と少子高齢化の進展もあり、現在は大きな方針転換がなされ、働く人の幸福度を向上させ、生産性を向上し、それを消費の拡大につながらせ、経済成長を後押しすることが期待されるようになりました。
私たち1人ひとりにとっても、今までの置かれた環境に我慢をする考え方から、幸福とは何かをあらためて考え、自分らしく健やかに生きていく考え方に転換していく必要があります。
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著者はどんな人?
著者は、鳴門教育大学大学院准教授の
木村直子(きむら なおこ)先生です。
すべての子どもや大人のウェルビーイングを実現するために、家族に求められること、保育・教育機関・社会的養育の場に求められること、地域に求められることを探究しておられる先生に、ウェルビーイングの理論と実践について解説していただきました。
編集者から一言
本講座では、職場におけるワークショップ(参加型学習)について紹介しております。職場の部署や職種、専門性を超えて実施できるのが特徴です。また、実施することで、職場1人ひとりのウェルビーイングを高めるだけでなく、楽しく和やかな雰囲気を共有し、職場内のつながりを深めることができます。
ぜひご活用ください。
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新シリーズ「ものづくり人のためのドラッカー」
~イノベーションは天才のひらめきではなく、明日に向けた仕事である
著者 浅沼 宏和
“ものづくり人“とは、ものづくりに関わる、経営者、技術者・技能者、営業・管理部門までのすべての人を、そう呼んでいます。
この連載はドラッカーの11冊の著書からリベラルアーツとしてのドラッカーをまとめたものです。
どこかに、役に立つ一言が含まれていることと思います。
ぜひ、引き続きご愛読いただきたく、連載を開始いたします。
その4 ピラミッドをつくる組織とマンモスを狩る組織
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経営戦略の次に理解しておくべきは、組織づくりの基本です。
ここで、重要なのは「組織は戦略に従う」という考え方です。
これは高名な経営学者アルフレッド・チャンドラーの提起した命題ですが、ドラッカーもまた戦略を明確にした後に、その実現手段として組織づくりに取り組むことが正しいとしました。
次に最も重要な二つの組織形態を学びましょう。なぜなら、あらゆる組織がこの二つの組織形態の両方を使っているからです。
その二つとは「職能別組織(ピラミッドをつくる組織)」と「チーム型組織(マンモスを狩る組織)」です。
1.職能別組織(ピラミッドをつくる組織)
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職能別組織とは、仕事を段階別・技能別に職能としてまとめた組織形態です。
たとえば、製造、営業、開発、財務、総務といった部署は職能別組織の中での位置づけです。
ドラッカーは職能別組織を「ピラミッドをつくる組織」と説明しています。
文明の始まりから存在していた組織形態であるということです。
職能別組織は、わかりやすさに優れています。
製造部門の人は製造を、営業部門の人は営業を仕事としています。
継続的・安定的に仕事をしていくために便利な組織形態で、安定性に優れているため、ツボにはまると高い効率性を発揮します。
仕事の分担も明確であり、調整も少なくて済み。経済性に優れた組織形態です。
ドラッカーは職能別組織が組織内の人々の「よるべき家」になるといっています。
ただし、職能別組織は硬直的で柔軟性に欠けるという欠点があります。
人材育成にも不向きで、新しいアイデアを受け入れる気風にも欠けています。
ちょっとした改善には力を入れても、大きなイノベーションには抵抗する組織なのです。
2.チーム型組織(マンモスを狩る組織)
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チーム型組織は、新商品の開発プロジェクトのような臨時の仕事のために、異なる技能、知識、背景を持つ人たちが集まって一緒に働く組織形態です。
ドラッカーはチーム型組織を「マンモスを狩る組織」と説明しています。原始時代から存在する最も古い組織形態です。
チーム型組織には明確な目的とリーダーが必要です。チームの目的と各人の役割が明確になっている必要があり、チームのまとめ役として大きな責任を負うのがリーダーです。
チーム型組織は、柔軟性に優れ、イノベーションや人材育成に向いています。ただし、安定性・経済性に欠けており、組織の自由度が高い分だけ、各メンバーに高い自己規律と自己責任が求められます。
あらゆる組織は、職能別組織とチーム型組織の両方を使っています。この二つの組織形態の長所と短所は正反対であり、両者の基本的特長を押さえておくことが必要です。
次回 その5「組織の欠陥を示す兆候」と「組織構造の七つの原則」
著者紹介
浅沼 宏和
早稲田大学政治経済学部卒、中央大学大学院法学研究科卒、名古屋学院大学 論文博士
「社会制度変容の力学 -内部統制制度・リスクマネジメント・コーポレートガバナンス一体化の論理」
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