新講座「モノづくり現場の基礎」をご紹介いたします /新鬼平随想録[第31回]
*2024年4月18日(木)
春の日差しがきらめく頃となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
本日は、
- 新講座 eラーニングで学ぶ「モノづくり現場の基礎~5S・安全・品質」ご紹介
- 石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした「新鬼平随想録」
第31話
について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。
新講座 eラーニング「モノづくり現場の基礎~5S・安全・品質」
昨今、モノづくり現場での事故や不正のニュースに、日本のモノづくり現場に対する危機感をお持ちになった方も多いと存じます。
モノづくり現場ではあるべき姿がきちんと保たれていることで、はじめて異常に気づくことができます。
JTEXは、これからモノづくり現場を担うことになる新人に、また、その新人たちを束ねていく若手リーダーの方向けに、メーカーで一番大切なモノづくり現場の考え方、基本となる行動を、親しみやすいストーリー仕立てにした教材を開発いたしましたので、ご紹介いたします。
モノづくり現場ではあるべき姿がきちんと保たれていることで、はじめて異常に気づくことができます。
JTEXは、これからモノづくり現場を担うことになる新人に、また、その新人たちを束ねていく若手リーダーの方向けに、メーカーで一番大切なモノづくり現場の考え方、基本となる行動を、親しみやすいストーリー仕立てにした教材を開発いたしましたので、ご紹介いたします。
★ 現場で感じる『おかしいな』『何か変だな』という気づきこそが、重要なのです
- 『現場で起こる異常』は、品質の悪化や生産の遅れにつながるため、素早く気づくことが大切です。
- いつもの『あるべき姿』を知っているから、それと違う姿、つまり『異常』に気づくことができます。
- 現場にあるムダの発見・異常の気づきのきっかけになるのが『整理・整頓・清掃』の3Sであり、これを定着・維持させることが『清潔』と『躾』です。
- つまり、5Sはモノづくり現場の基礎活動 と言えます。
- 本講座では、工場研修のストーリーを軸に会話形式で、現場の基本である「5S」「品質」「安全」について解説していきます。
★各章ごとの動画内容とねらい
はじめに
- 入社半年目の小森君が、上司 才田課長との個別研修を受けることから、この動画は始まります。
- 小森君は、今朝、家の鍵と社員証が見つからず遅刻しそうになりました。それは部屋が散らかっていたからです。
- ここから会社生活や現場作業での、『整理・整頓・清掃』の重要性について、話題が展開していきます。
第1章 5S について
- この講座の基礎になる『5Sについて』説明しています。
- 小森君が現場で気づいた二つのこと、『いつも片付けられていること』『いつも挨拶をすること』この2点が『なぜ必要か』を考えます。
第2章 『モノづくり』について
- 現場での、「ものづくり」⇒ 「モノづくり」 を説明しています。
- 単なる「もの」 を作るのではなく 『モノ』 が含む意味として、『人を造る』 という観点を説明します。
- 小森君は 「考えるサッカーで成長した」 経験から、モノづくりでも考えることの必要性を汲み取ります。
第3章 職場の5S
- この章から、工場の各部署を回り、課題を見つけていきます。
- どこの職場でも見られる、整理・整頓について話が進みます。
- モノづくり現場に関係なく、事務職場でも通じる内容ですから、幅広く多くの方にも見ていただきたい内容です。
第4章 工程の5S
- 組立工程をイメージした現場をモデルにして、工程のルールや改善について説明します。
- 現場を知る上では、事務職スタッフの方々にも興味を持って学習してもらう意義があります。
第5章 安全・品質を守る現場のルール
- モノづくり現場で起こる安全や品質のトラブルについて、なぜ問題か、どうすれば良いかを考えます。
- 現場のルールとして「やってはいけない事」、あるいは電子機器を取り扱う工程で起こる「静電破壊の問題」について、具体的な解説をしています。
第6章 職場の情報セキュリティー
- 昨今ますます重要になった、セキュリティー対策について学びます。
- 入室・入門のセキュリティー対策、パソコンの取扱いなど、モノづくり現場にかかわらず、どこの職場にも共通する重要な内容です。
- モノづくりにかかわらない方々にも見て頂きたい内容です。
第7章 設備保全の5Sと安全
- 機械設備を取り扱う工程に関する内容になります。
- モノづくりをする上で、機械設備を取り扱う 『人』 が、正しい設備保全ができないと、良いモノづくりができません。
- 同時に、工程設備を取り扱うには 『安全な作業』 が必須です。
- この章では、自主保全の必要性、安全第一の現場作り、正しい保全作業の姿について説明します。
- 現場に関係しない方にも、ぜひ知っていただきたい内容になります。
第8章 工場の5Sと安全
- 倉庫、検査室、実験室は、普段あまり表に出ない部署ですが、入荷部品や出荷製品の保管検査といった管理、あるいは、製品検査や新製品開発実験など、モノづくりのべースとなる重要な役目を持ったところです。
- この部署で、品質と安全を維持する姿を説明しています。
第9章 品質管理
- 『品質は企業の命』といわれ、『安全第一』と並び、会社で最も重要な内容です。
- しかし品質問題も安全問題も、その原因には人が絡んでいます。
- 人が絡む原因について説明し、過去の品質問題事例から、何が原因だったかを考えます。
- 「おかしいな」、「何か変だな」という気づきで、こういった品質問題の再発を防げるようになってほしいものです。
息抜きクイズ
- 動画テキストの途中に『息抜きクイズ』を設定しています。
- 講義の息抜きと同時に、社会人として知っておいてもらいたい基本知識の一部を示しています。
- 幅広い分野の内容をクイズ形式で出題し、ここから興味を持ち学習の幅を広げて頂きたいと思います。
- 各章の目次欄に、★印で記載しています。
キーワード集
- 動画で説明するキーワードを、別途冊子で用意しています。
- それぞれの言葉を更に詳しく説明し、掲載順・五十音順で検索できるようになっています。
本講座の構成
- 本教材は動画形式のeラーニングです。
- パソコンでもスマホでもみていただくことができます。
- キーワード集は、電子ブック(印刷可)で提供いたします。
- 1章から9章まで、章末に小テストがあります。
- 最後に、全体を通した修了テストをしていただき、合格点は60点です。
新入社員教育の継続に、若手リーダーの確認用に、ぜひ本講座をご活用ください。
鬼平犯科帳連載について
JTEXメールマガジンでは、石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした「新鬼平随想録」を1話ずつお届けします。息抜きにご一読いただければ幸いです。
作者の池波正太郎氏は19歳のとき(昭和17年)、小平の国民勤労訓練所(戦後の中央職業訓練所)に入り、萱場製作所で2年間、四尺旋盤を使って飛行機の精密部品を作り、そのとき体で覚えたものつくりの手順で、『鬼平犯科帳』を書いたといいます。
このように、この小説の背景は意外に深く、皆様もこの作品から学ばれる点が多いと思います。
第31回 本所・桜屋敷
中村吉右衛門主演の第2話「本所・桜屋敷」(フジテレビ)が、平成元年7月19日に放送された。監督は小野田嘉幹、おふさは萬田久子、岸井左馬之助は江守徹、彦十は江戸屋猫八であったが、脚本を書いた井手雅人は2日前に急逝していた。井手と同じ作家・長谷川伸の弟子であった池波は涙で映像がよく見えなかったという。その池波の原作(文春文庫1巻)の概要と映画の感想は以下の通りである。
天明8年(1788)の正月のある朝、平蔵は昨年末逮捕し、処刑した凶盗・
平蔵はすぐ一人で本所へ向かった。本所は父の屋敷が三ツ目にあり、17歳から父が町奉行となった京へ赴くまでの10年間、過ごした町である。
最初平蔵は梅吉が姿を見せ、消えたという
この時背後からわざと斬りかかった者がいる。うまくかわした平蔵は高杉道場で猛稽古をした剣友・岸井左馬之助と20余年振りに再会した。そして2人は法恩寺門前の茶店へ入り、湯豆腐と熱い酒で、積もる話を語り合った。
実は桜屋敷のおふささんは2人の初恋の女性であった。だが2人が22歳の春、彼女は花嫁姿で舟に乗り、
平蔵は翌年父の跡を継ぐことになり、将軍・家治に拝謁(はいえつ)し、市井の無頼者(ぶらいもの)との付き合いも止めた。一方岸井は今も
岸井と別れた後、平蔵は南割下水の御家人・服部角之助の家を探してみた。家は見つからなかったが、今度は本所の無頼者で親しくしていた
二ツ目の
さらに役宅へ戻った平蔵は、日本橋に住む改め方の御用聞・文治郎を呼び、近江屋のおふささんのことを聞くと、彼女は幸せに暮らしていたが、子供を死産してから数日後に夫が馬に蹴られ、1ヶ月後に亡くなってしまった、後取りはもめたが、結局夫の弟に決まり、その弟が桜屋敷を御公儀へ売り払い、いくらかのお金を渡し、彼女を追い出したということであった。
ところで彦十は別れてから4日後の夕、役宅へ来て、服部の家に梅吉がいると報告してくれた。さらに翌々夜、駆け込んで来て、無頼仲間の
平蔵はすぐに改め方20余名に出動命令を出し、午後11時には服部の家を取り巻いた。そして彦十の連れてきた蓑虫の久を使って門を開けさせると、先頭に立って中に入り、服部夫妻を含め梅吉達を一網打尽にした。
取り調べはおふさ以外の者を平蔵が担当し、梅吉は、蓑虫の久を誘い込んだのが運のつきであった、旦那のお目を逃れて服部の賭場へ転がり込んだが、御新造と仲良くなった、近江屋への押し込みは御新造が勧めたものであったと白状をした。
最後のおふさは村松与力が取り調べた。その日平蔵は岸井を役宅に招き、詮議場の横の部屋の障子のすき間から一緒に白洲の彼女を見た。
村松与力がびしびしと調べを進めると、おふさは、近江屋にはうらみがある、それ故梅吉をそそのかせ、近江屋夫婦を殺害させるつもりであった、お金を盗むことよりもそのことの方が、私には大事であったとはきはきと答えた。どういううらみがあったのかと聞かれると、おふさは、日本橋の御用聞が平蔵にいった通りの内容をはっきりと述べた。
おふさが白洲から引き立てられる時、2人はたまりかねて詮議場へ出ると、おふさは2人を見たが、表情は少しも変わらない。まったく、おふさは2人を忘れ切ってしまっていたのだ。
そのことを平蔵が思わずささやくと、岸井の両眼から泪が湧きこぼれた。左馬はこれ程までにおふささんを思いつめていたのか。平蔵は深い感動を覚える。
春になり、梅吉、服部、浪人くずれは死罪、おふさは服部家の小者その他と遠島となった。
数日後平蔵は神田川の船宿で小舟をやとい、本所の
ところで映画では、平蔵がおふさを取り調べることになっている。その時おふさは、梅吉をそそのかしたことについて、「私は女でございます。男の力が欲しい時どんな手だてがございます。教えて下さいまし」と答える。平蔵はたしなめるが、純真な彼女が思いがけずも歩まざるを得なかったひどい人生が浮かび上ってくる。
また映画では、岸井左馬之助とおふささんが寺の土塀が続く道で軽く会釈をして擦れ違うシーンがある。これは京都の妙心寺でロケされた、実に美しいシーンである。そしてこのシーンが左馬之助の胸の内にあるから、いつまでもおふささんを想い続けられるのだろうと思わせる。
最後にこの映画で相模の彦十が初めて登場する。江戸屋猫八の演ずる彦十はうらぶれた中にも凄味が感じられる。そんなシーンが沢山見られた。池波もそんな演技を見て、小説の通りの彦十だと絶賛したと伝えられる。(参考「鬼平犯科帳を極める」扶桑社)
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2024年4月18日