改訂講座 「GXを支える「新素材」あれこれ~カーボンニュートラル実現に向けて」 /新企画連載:随想 鬼平犯科帳[第18回]
*2023年6月29日(木)
皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
本日は、
- 改訂講座「GXを支える「新素材」あれこれ~カーボンニュートラル実現に向けて」
- 石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした「鬼平犯科帳随想」
第18話
について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。
改訂リニューアルしました!!
「GXを支える「新素材」あれこれ~カーボンニュートラル実現に向けて」
新素材はGXにおいても常に注目されている分野のひとつです。素材、とりわけ新素材についての基礎知識があれば、新技術の動向を追いかけることもでき、そこから新たなアイディアが生まれることもあるでしょう。
本講座では、素材の研究経験や講義経験が豊富な著者・澤岡昭先生が、幅広い分野を網羅して解説しています。日本のGXを支える素材技術を学んで本質を見抜く力を身につけましょう。
主な項目
第1章 新素材を理解するために
- 1.1 物質と材料は別物
- 1.2 結晶と非晶質体
- 1.3 原子同士を結びつける力
- 1.4 素材の特性を決める微細構造
第2章 ものづくり産業の屋台骨~金属材料
- 2.1 金属の保守本流は鉄鋼材料
- 2.2 形を憶える形状記憶合金
- 2.3 軽くて強い金属~アルミ合金とチタン合金
- 2.4 超高温に耐える合金
- 2.5 古くて新しい粉末冶金
第3章 日本のお家芸~先進セラミックス
- 3.1 粉末からつくるセラミックス
- 3.2 タフなセラミックスを目指して
- 3.3 自動車に使われるセラミックス
- 3.4 ニューガラスの展開
- 3.5 GXに貢献する炭素繊維
第4章 新機能を求めて進化する高分子・複合材料
- 4.1 高分子とプラスチック
- 4.2 軽金属のライバル~エンプラ
- 4.3 新しい機能を求めて
- 4.4 膨大な廃棄プラスチック
- 4.5 高分子複合材料
第5章 日本の生命線~電子・光材料
- 5.1 産業の米~半導体チップ
- 5.2 超小型化する電子部品
- 5.3 ディスプレイ材料
- 5.4 LEDとレーザダイオード
- 5.5 銅線の1万倍の能力~光ケーブル
- 5.6 映画が1枚のディスクに~光記録
- 5.7 半導体不足による製造業へのダメージ
第6章 エネルギーと新素材
- 6.1 再生可能エネルギーの本命を巡って~太陽電池
- 6.2 脇役から主役へ~二次電池
- 6.3 近未来の本命~燃料電池車
- 6.4 再び注目される~超強力永久磁石
- 6.5 切り札は超電導材料
第7章 大変革時代に突入した自動車産業はGXの代表
- 7.1 減少する国内の自動車販売台数
- 7.2 電気自動車の分類
- 7.3 リチウムイオン二次電池
- 7.4 ネオジム磁石は電気自動車モータのキーマテリアル
- 7.5 ネオジム磁石には二種類ある
- 7.6 ネオジム磁石の発明者~佐川眞人博士
- 7.7 新素材開発の視点から見た近未来自動車産業
素材の基礎を学びつつ、GXの観点から素材産業がどのように変化していくかの方向性を考えさせるような内容です。
ぜひ、この機会にご検討ください!
鬼平犯科帳連載について
息抜きにご一読いただければ幸いです。
作者の池波正太郎氏は19歳のとき(昭和17年)、小平の国民勤労訓練所(戦後の中央職業訓練所)に入り、萱場製作所で2年間、四尺旋盤を使って飛行機の精密部品を作り、そのとき体で覚えたものつくりの手順で、『鬼平犯科帳』を書いたといいます。
このように、この小説の背景は意外に深く、皆様もこの作品から学ばれる点が多いと思います。
第18回 麻布ねずみ坂
『麻布ねずみ坂』等では大坂と江戸の闇黒街の二大顔役が登場するが、これには番外編もあり、それがまた面白い。
『暗殺白梅香』(文春文庫第1巻)では、鬼平が香水をつけた浪人金子半四郎に暗殺されそうになる。彼を仕掛人にしたのが大坂の香具師の元締・白子の菊右衛門、暗殺を頼んだのが両国一帯の香具師の元締・羽沢の嘉兵衛で、くちなわの平十郎に頼まれたからであった。羽沢は『むかしの女』(第1巻)で浪人集団に再び暗殺を頼むが、失敗する。
『麻布ねずみ坂』(第3巻)では、指圧の名手・中村宗仙が京都で白子の妾・お八重と深い仲になる。白子が「五百両でお八重を買え」というので、中村は江戸で荒稼ぎもしつつ取立て役の浪人・石島に支払いを続けた。一方鬼平の部下・山田は、荒稼ぎに疑問を持ち、麻布ねずみ坂の中村宅から出た浪人を密偵等と調べると、浪人は石島という白子の子分で、羽沢の世話を受け、高崎で立派な道場を建てていた。そして山田は中村を襲撃した浪人を斬り、白子の子分を捕らえる。
鬼平が中村と子分を詮議すると、中村は期限内に五百両支払ったが、石島が二三〇両横領していたので、「女を中村に渡すのが順当と白子に申せ。行方不明の石島は高崎にいる」といって、子分を釈放する。ほどなく白子は五百両を返し、中村は殺されていたお八重の墓を建てる。さらに石島が暗殺され、鬼平は「白子め。やるのう」というのであった。
すっかり鬼平に敬服した白子は、『兇剣』(第3巻)で、対抗勢力の高津の玄丹から虫栗一味の残党を紹介され、四百両で鬼平の暗殺を頼まれるが、その手に乗らない。そして高津が鬼平を襲うが、逮捕されると、土蔵の残党を始末し、お金を奪い、在洛の鬼平に会ってお礼をいえないかと考える白子であった。
ところでこの小説の11年後の昭和55年、『夜明けの星』(文春文庫)が発表された。そこでは生活苦から深川の煙管師を殺した堀辰蔵が、仕掛人三井に拾われて仕掛人となり、三井や羽沢の依頼で人を殺し、その都度大坂の白子屋に逃げ、また人を殺した。そして三井の依頼で羽沢を殺すが、その三井に狙われ、三井を殺すという泥沼に陥る。
一方その後懸命に働く煙管師の娘お道は、大店の内儀の目にとまり、厳しく仕込まれて若旦那の嫁になる。そして父の死から25年。お道は敵の堀とは知らず、行き倒れの老人をやとい、その老人が浪人4人を相手にお道の娘を救い、死んでゆく。なおこの小説は46年の『平松屋おみつ』(『おせん』新潮文庫)のリメイクで、両方読むとさらに面白い。
また、白子屋達は梅安シリーズにも登場する。57年の『梅安乱れ雲』(講談社文庫)では白子屋が梅安に仕掛人二人を放つ。その原因を作った剣客小杉は白子屋を殺そうと大坂に向かう。梅安は追いかけて連れ戻すが、道中仕掛人の一人田島の病気を偶然治してやる。他方江戸の顔役・音羽の半右衛門は、妾をさらって、白子屋を江戸におびき寄せる。江戸に来た白子屋は梅安に仕掛人を送るが、田島が救う。これで怒った梅安は単身宿に乗り込み、またも田島に助けられながら白子屋の首筋に仕掛け針を打ち込む。そこへ音羽の依頼で白子屋を狙う小杉達も侵入し、秘密の通路から梅安を脱出させる。これも是非御一読願いたい。講座に関するご質問、その他通信教育に関するお問合せは、下記担当者までお願いいたします
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2023年6月29日