新規開講講座 すぐに使える!雑談力 /新企画連載:随想 鬼平犯科帳[第15回]
*2023年6月1日(木)
皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
本日は、
- 新規開講講座「すぐに使える!雑談力」
- 石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした「鬼平犯科帳随想」
第15話
について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。
信頼関係を築くきっかけになる雑談
そうはいっても、よく知らない人に話し掛けるのはとても勇気がいることです。
雑談とは雑多な話題で気楽に話すことですが、言葉のやり取りを通じて相手の気持ちや性格を推し量ることができます。気持ちのやり取りができれば、相手に親しみを感じられるようになるでしょう。
人間は多面的な生き物であり、職場で見せる面だけではなく、他にもさまざまな面白い面をもっています。仕事上の話以外に、雑多な話をすることで良い面や意外な面に気付き、相手とより関係を深めたいと思うようになります。そこからお互いに関心をもち理解し合うことによって、信頼関係につながっていくのです。
また雑多な会話を通じて、自分にはない考え方や感じ方を知り、自分の視野を広げることもできます。特に年齢の離れた人や社外の人との雑談から、多くの気付きを得られるかもしれません。
そんな雑談の世界へ一歩踏み出すために、新講座「すぐに使える!雑談力」が一助になればと思います。
雑談の基本と聞き方を身に付けます
一体感のある職場づくりを学びます
多様性を尊重しながらも、このような一体感のある職場づくりが求められています。そのために必要な世代を超えたコミュニケーションの方法や、場を和ませるポイントを解説しています。またリモートワークにおける雑談の方法も紹介しています。
解説動画で雑談への理解を深めます
概要の解説に限らず、心理学的なアプローチからキーワードをイラスト入りで紹介しているので、雑談への理解を深めることができます。ぜひテキストと合わせて学習にお役立てください。
- 1-1 雑談の基本ルール
- 1-2 初対面の人との雑談
- 1-3 すでに面識がある人との雑談
- 1-4 雑談に良い話題、悪い話題
- 2-1 聞き上手は雑談上手
- 2-2 雑談を展開する技法
- 2-3 相手に好印象を与えるポイント
- 2-4 相手が話しやすい雰囲気作り
1か月目学習
第1章 雑談の基本
第2章 雑談の聞き方
- 3-1 職場のコミュニケーション活性化
- 3-2 雑談のしやすい職場づくり
- 3-3 雑談が育む創造性
- 3-4 リモートワークにおける雑談
- 4-1 ビジネスにおける雑談のマナー
- 4-2 相手の懐に入るポイント
- 4-3 大事な話をする前の雑談
- 4-4 「また会いたい」と思える終わり方
2ヵ月目学習
第3章 職場の一体感を高める雑談
第4章 信頼関係を深める雑談
巻末付録 今日から実践! 雑談トレーニング
「すぐに使える!雑談力」のテキストは会話例が豊富で、実際のシチュエーションを想定しながら学ぶことができます。ぜひこの機会にご検討ください。
鬼平犯科帳連載について
息抜きにご一読いただければ幸いです。
作者の池波正太郎氏は19歳のとき(昭和17年)、小平の国民勤労訓練所(戦後の中央職業訓練所)に入り、萱場製作所で2年間、四尺旋盤を使って飛行機の精密部品を作り、そのとき体で覚えたものつくりの手順で、『鬼平犯科帳』を書いたといいます。
このように、この小説の背景は意外に深く、皆様もこの作品から学ばれる点が多いと思います。
第15回 本門寺暮雪
『本門寺暮雪』(文春文庫9巻)は、柴犬が鬼平を救う物語で、池波の自選作でもある。
鬼平が芝・二本榎の旗本・細井彦右衛門の見舞いに行くというので、妻・久栄が支度をすると、髪飾りが落ちて割れた。久栄は不吉というが、昔、放蕩無頼をしていたときも助けてくれた細井の亡父への恩義を忘れずに、病身の細井の面倒をみる鬼平は、かまわず出かける。
薬は別途部下が届けてくれるので、二本榎へ直行すると、聖坂で偶然、今は乞食坊主だが、元御家人で高杉道場の剣友・井関と会う。井関が「向こうの茶店にいる悪い奴をつけている」と言うので、鬼平は「その行く先を探り、細井邸へ来い」と思わず言ってしまい、事件に巻き込まれる。
細井一家は鬼平の見舞いを大変喜び、井関のことで「明日、池上の本門寺へお参りするので、2人を泊めてほしい」と頼むと、快く了承してくれた。その夜、結局はまかれてしまった井関と泊まると、彼は「あの男は8年前、大阪で殺しの依頼を断ったときに襲ってきた浪人で、自分が背中を斬られ、かろうじて逃げた“凄い奴”だ」と打ち明けた。
翌朝、井関は鬼平が書いた地図に従って本門寺の方向へ歩き出すと、“凄い奴”が後をつけている。その後を鬼平がつけると、“凄い奴”はどこかで消え、その後は現れないので、結局2人は本門寺へお参りし、茶店で泊まることにした。
茶店には柴犬がいてすり寄ってくるので、煎餅を与えた後、鬼平は暮雪の中を井関と傘をさし、96段の石段をあと数段まで登ったとき、“凄い奴”が上から襲ってきた。井関は転げ落ちて気絶し、鬼平は三の太刀をかわして、やっと小刀を抜くが、大刀を振りかぶる“凄い奴”を見て「これが最後か」と感じた瞬間、あの柴犬が右足に噛み付いたのである。この隙に体当たりをすると、“凄い奴”は転げて大刀を落とし、下へ逃げたので、鬼平は粟田口国綱あわたぐちくにつなを抜き、総門前に追い詰め、その胴を払った。
以上だが、作者は随筆『ル・パスタン』(文春文庫)で「亡師・長谷川伸に2匹の愛犬がいて、昭和38年のお通夜の夜、哀しげに泣きつづけていた。その1匹が生んだ仔犬をもらって、クマと名づけた。亡母がとくに可愛がったが、クマは昭和43年に死んだ」旨を書いている。これを読むと、このクマの死を悲しみ、47年、鬼平犯科帳の世界に蘇らせたのが、この『本門寺暮雪』ではなかったかと思う。
というのは、恩人・細井の屋敷が亡師・長谷川と同じ二本榎であるし、鬼平はこの後譲り受けた柴犬に、同じクマという名を付けたからである(『浅草・鳥越橋』9巻)。
ただし、鬼平とクマの出会いが二本榎ではなく、本門寺という点は違う。しかし、鬼平は日蓮宗だから、本山の本門寺へ参詣したいと思うのは自然だし、そこで、蘇ったクマが“凄い奴”に噛み付くのも、善行を積む鬼平を御本尊が救われたと思えば自然である。
こうして命の恩人となったクマは、さらに『狐雨』、『犬神の権三』、『蛙の長助』等に登場し、鬼平に可愛がられるのである。講座に関するご質問、その他通信教育に関するお問合せは、下記担当者までお願いいたします
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2023年6月1日