eラーニング・セミナー等の教育講座の提供を開始/新企画連載:随想 鬼平犯科帳[第5回]

*2023年3月9日(木)

春寒もようやく和らぎ、過ごしやすい季節となってまいりました。
躍動的な季節に向けて、ますますご多忙のことと存じます。

本日の内容
  • 株式会社インソースと職業訓練法人日本技能教育開発センターが提携
    ~eラーニング・セミナー等の教育講座の提供を開始
  • 石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした
    「随想 鬼平犯科帳」第5話

ぜひ最後までお読みください。

eラーニング・セミナー等の教育講座の提供を開始

現在、各企業が「人的資本経営」実現のために「人への投資(リスキリング)」を推進しています。外部環境の激しい変化の中、人材の価値を引き出し、人的資本によって企業価値を高める経営が評価されるようになりました。今後、人的資本に関する情報は「企業の将来性を判断する指標」として、ますます重要視されていくでしょう。

リスキリング推進に向けて取り組むようになった多くの企業・法人を後押しすべく、職業訓練法人 日本技能教育開発センター(本社:東京都新宿区、理事長:石岡 慎太郎、以下「JTEX」)と株式会社 インソース(本社:東京都荒川区、代表取締役執行役員社長:舟橋 孝之、証券コード:6200)は販売提携基本契約を締結し、「通信教育講座」・「公開セミナー」・「eラーニング」に関して相互販売提携を交わしました

株式会社インソース 概要

インソースはオーダーメイド型の講師派遣型研修をはじめ、1名から参加可能なオープンセミナー型研修、豊富な機能と教材を搭載した動画・eラーニングシステムなど、3,600を超える研修コンテンツをベースに、お客様の経営戦略と連動した独自性のある教育を提供し、年間65万人を超える方々が各種研修を受講しています。(2022年12月末時点)
1.オープンセミナー
  • (新入社員・新社会人向け)ビジネスマインド研修~社会人の心得を知る
  • (新入社員・新社会人向け)仕事の進め方研修~チームワークとコミュニケーション
2.オンラインオープンセミナー
  • (新入社員・新社会人向け)ビジネス基礎研修~新たな時代に求められる社会人の心構えとスキルを習得する編(2日間)
  • (新入社員・新社会人向け)ビジネスマナー研修
  • (新入社員・新社会人向け)オンラインビジネスゲーム研修~チームの一員として仕事の進め方を学ぶ
  • (製造業 新入社員向け)工場で安全に働くための仕事の進め方研修
3.動画・eラーニングシステム

「動画データ(MP4データ)買い切りプラン」・「1週間レンタルプラン」から選択してお申込

コンプライアンス講座~社会人としての基本的な知識と対処法を身につける
リモートワークにおけるメンタルヘルスセルフケア講座
20代向け キャリアデザイン講座
50代向け キャリアデザイン講座
若手社員向け ビジネスマインド強化講座
ファシリテーション講座~議論を活性化し、合意に導く
1対1面談の仕方研修
(AI音声動画で学ぶ)評価者研修


鬼平犯科帳連載について

JTEXメールマガジンでは、石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした「随想 鬼平犯科帳」を1話ずつお届けします。
息抜きにご一読いただければ幸いです。

作者の池波正太郎氏は19歳のとき(昭和17年)、小平の国民勤労訓練所(戦後の中央職業訓練所)に入り、萱場製作所で2年間、四尺旋盤を使って飛行機の精密部品を作り、そのとき体で覚えたものつくりの手順で、『鬼平犯科帳』を書いたといいます。
このように、この小説の背景は意外に深く、皆様もこの作品から学ばれる点が多いと思います。



第5回 五月闇

    鬼平の下には54人の密偵が働いていたが、なかでも伊三次があの暮坪の兄・強矢すねやの伊佐蔵に殺された『五月闇さつきやみ』(文春文庫14巻)の話は哀切である。

    伊三次は岡場所「みよし屋」のなじみの妓から、左胸に深い傷のあるイサさんという客が来たと聞き、それは凶盗・強矢に違いないと鬼平にすぐに報告したが、強矢について聞かれると、答えられなかった。
    伊三次には親分である強矢の女房と密通し、彼を殺そうとして左胸を斬り、挙げ句女房も殺したという、人には言えない過去があったからだ。

    その苦しげな顔を見た鬼平は、「みよし屋」での張込みを他の密偵に任せた。
    伊三次もそれでよいと思っていたが、半月経っても強矢は現れない。
    その後も毎日雨が降り、ひとり役宅の部屋でもんもんとしていた伊三次は、様子が知りたくなって「みよし屋」へ向かった。
    しかし、入る勇気が出ず、近くの居酒屋に入る。飲んでも酔えず引き返そうと外へ出ると、「みよし屋」へ行く前にそこで飲んでいた強矢があとをつけ、振り向いた伊三次の腹をえぐった。

    伊三次は気を失う前に、駆けつけた大名屋敷の番人に改方への連絡を告げていたため、屋敷へ運ばれ、外科医の手術も受けられた。

    その数日後、見舞いに訪れた鬼平に伊三次は、死ぬ前にぜひ聞いてほしいと五月闇のような過去を告白したのである。これを聞いた鬼平が、「それでさっぱりしたろう。なれど忘れるな。お前はわしの子分だということを、な」と言うと、伊三次はすすり泣くのであった。

    それから鬼平は「みよし屋」へ向かったが、その頃そこへ現れた強矢が亭主の顔の変化を見て危険を感じ、偶然鬼平の方向へ逃げてきたため、ようやく逮捕することができた。しかし、伊三次の命はあと2、3日となる。そんな伊三次の枕頭に座り続け、見送ってやる鬼平だった。

    なお、この伊三次の突然の死に対し多くの読者が抗議をしたので、作者は次のような趣旨の釈明をしている(『私の仕事』朝日文芸文庫)。

    戦争中、徴用で飛行機の精密部品を作る旋盤工をやったとき、指導員が仕事をする前に「どこから手をつけるか、よく考えろ。手順が一つでも狂えば精密部品はできない」と教えてくれ、その通りするとうまくできた。実は小説も、旋盤工のときに体で覚えた感覚で書いており、あらかじめ伊三次を殺そうと思って書き始めてはいないが、手順を一つ一つ大切にして書いていくと、伊三次が殺されてしまう。それは彼の過去と性格によるのだ。

    作者が言うように、鬼平は精密部品のような作品なのである。




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2023年3月9日