【VOL.2】新入社員の“これから”にスパイスを…

*2021年4月15日(木)

全人口の1/3を占める、世界の消費を担う“Z世代”とは?

Z世代とは?
1996年~2021年産まれに分類され、前者はインターネットや携帯が当たり前の時代に生まれたデジタルネイティブ、後者はソーシャルメディアやスマホ時代に生まれたソーシャルネイティブです。現在は、世界の全人口の約3分の1をZ世代が占めます。
社会人の割合はそれほど多くありませんが、Z世代の70%が、家族の購入意思決定に影響を及ぼしているという話も耳にします。
そのZ世代がまさに近年皆様の会社に入社されていることになります。

 

Z世代の語源
Z世代の語源は、アメリカ合衆国での世代の呼び方に由来しています。
もともとアメリカ合衆国で、1965~1980年頃に生まれた世代が「ジェネレーションX(X世代)」とよばれていました。これは、カナダの作家、ダグラス・クープランドの著書『ジェネレーションX』から来ており、ケネディ政権頃からベトナム戦争終結後頃までの間に生まれた世代を指します。アルファベット順でXの次がYであることから、
この後の世代が「ジェネレーションY(Z世代)」とよばれ、さらにその後の世代が「ジェネレーションZ(Z世代)」とよばれています。

 

世代の呼び方
年代の区切りは諸説ありますが、以下分類されるケースが多いようです。

  • ◆団塊世代:1947年~1949年
  • ◆しらけ世代:1950年~1964年
  • ◆バブル世代:1965年~1969年
  • ◆団塊ジュニア世代:1970年~1974年
  • ◆ポスト団塊ジュニア世代:1970年~1981年
  • ◆プレッシャー世代:1982年~1986年
  • ◆ゆとり・さとり世代:1987年~2004年
  • ★Z世代:1996年~

Z世代の経験値とは

  • ●中学生のときにFacebookブームを知る(2011年頃)。
  • ●遅くとも中学生でスマートフォン身近に(2010年にiPhone4発売)。
  • ●リーマンショック後、両親世代の財政困難を目の当たりに(2008年以降)。
  • ●既に小学生の頃、「ネットいじめ」が世界的にも顕在化する(2007年頃)。

特に「10代前半で、すでにスマートフォンやSNSが身近だった」というテクノロジー面の背景で、ほかの世代との違いを感じされられます。

Z世代の特徴とは

1)デジタルネイティブ

デジタルネイティブとは、学生の頃からPCやインターネットに触れてきた世代のことで、生まれた時にはもうインターネットやデジタル機器が身近にありました。生活の中でデジタルを活用することが当たり前の世代です。

 

2)スマホネイティブ

Z世代の学生時代には、もうスマートフォンが世の中に浸透していました。
つまり、ガラケーを使ったことがない世代であるということです。
スマホ1台あれば、情報収集やショッピングのほか、読書や勉強、ゲーム、はたまたネットバンキングから就職活動まで何でもできてしまうため、逆にそれ以外のテレビや本、雑誌といったメディア離れが進んでいるようです。

 

3)SNSネイティブ

スマートフォンと一緒に世の中に広がっていったのがSNSです。
Z世代は、学生時代には既にSNSが一般的でした。
タレントよりインフルエンサーの影響力が強く、SNS広告にも寛容ですが、広告のスキップを選択できることも重視しています。

 

4)ブランドより個性・自分らしさを重視する

個性や自分らしさを表現し、自ら発信する・できる環境が日常になっており、その分、他人の個性も尊重するマインドを持っています。

 

5)社会問題に関心が強い

ネットで簡単に国内外の雑多な情報にアクセスでき、SNSを通して世の中の諸問題に関し、意見を発信したり議論を交わしたりする機会が多いため、全般的に社会問題への関心が高い傾向があります。

 

6)ネットリテラシーが高い

サイバーセキュリティやプライバシー保護への意識が高く、ネット上の発言が消えないデジタルタトゥーなど、ネットの弊害もよく認識しているため、24時間で投稿自動消滅するInstagramのStoriesが好まれる傾向にあります。

Z世代の力を引き出すコミュニケーションの方法とは?

1)相手の価値に寄り添いメンター的に接する

研修やサポートをしっかりと対話で行い、Z世代の意見を取り入れる姿勢を持ち、共同作業で同じゴールを目指すメンター的な接し方が理想的ではないでしょうか。
個別のコミュニケーションで「仕事の目的」「評価基準」などを細かく伝える一方、良かった点や改善点、次回への目標などを細かくフィードバックしてあげると、安心して力を発揮できると思われます。

 

2)会社や上司に対する信頼感を持たせる

わからないことは即スマホで検索し、常に最新情報にアクセスできる環境で育ったZ世代は、疑わしい情報や信頼できない情報には敏感に反応し、自ら真偽を判断して行動します。
「会社の言うことは絶対」などという過去の価値観は通用しない傾向にあるため、会社や上司への信頼感を持たせることが最も重要なのかもしれません。

 

3)プライベートに関する価値観を尊重する

自分と他人を明確に区別するZ世代にとって、プライベートを侵す過剰なコミュニケーションはもっとも受け入れられません。距離を縮めようと休日の過ごし方を質問したり、仕事の延長のように飲み会に誘ったりすると、場合によっては壁ができてしまうこともあるかもしれません。

最後に
Z世代は、キャリアに対して保守的で、働き方も「安定志向」であるようです。
起業や転職をするよりも、一度就職した企業に長く勤めたいという堅実な仕事観を持っている人が多く、ダイバーシティやインクルージョンを重視するZ世代だけあって、仕事を通して社会課題の解決に貢献することを望む人も多いようです。
次回は
【VOL.3】新入社員の“これから”にスパイスを… 】
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2021年4月15日