【JTEX】風が涼しくなった秋、資格を目指してみませんか /新鬼平随想録[第5回]

*2023年10月12日(木)

秋の夜長の時季となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
そんな秋の夜長を資格取得の勉強で過ごしてはいかがでしょうか?

本日は、

  • 受験機会が複数回ある講座や学習のモデルプランのご紹介
  • 石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした「新鬼平随想録」
    第5話

について、ご案内いたします。ぜひ最後までご拝読いただければ幸いです。

風が涼しくなった秋、資格を目指してみませんか

空気が澄み、風が涼しくなった秋は、来たる春の国家資格試験の受験に向けて勉強を開始するのにとてもよい季節です。

ここでは、受験の機会が複数回ある「危険物取扱者」、「消防設備士」、「二級ボイラー技士」について、JTEXの通信教育講座「危険物取扱者受験講座(乙種・甲種)」、「消防設備士受験講座(乙種・甲種)」、「二級ボイラー技士受験講座」を使って学習される場合のモデルプランを紹介します。

Q1.来春の国家資格試験の受験に向けて、おすすめの受験準備の講座はありますか?
A1.
    どの資格を取得したいか、はっきりした目標がないのでしたら、受験の機会が複数回ある「危険物取扱者」、「消防設備士」、「二級ボイラー技士」はいかがでしょうか。特に「危険物取扱者受験講座(乙種第4類)」は東京都ならば月に2~4回、少ない県でも半年に1回は実施されているので、受験の機会はとても多くなります。
    都道府県ごとの試験スケジュールは、各実施団体のホームページ で確認できます。
Q2.危険物取扱者は、乙種第4類の受験者数がケタ違いに多いですが、何か理由があるのでしょうか?
A2.
    乙種第4類は、引火性液体(ガソリンなど)を取り扱うための資格です。ガソリンや灯油などは幅広く使われており、多くの有資格者が求められるからです。資格を役立てることをお考えでしたら、乙種第4類はいちばんのおすすめです。
    なお、乙種につきましては受験資格は不要ですが、甲種は一定の学歴もしくは一定の実務経験が必要です。
Q3.消防設備士は、第1類(乙種、甲種)、第4類(乙種、甲種)、第6類(乙種)に分かれていますが、おすすめはどれですか?
A3.
    消防設備士第1類は屋内消火栓設備等、第4類は自動火災報知設備等、第6類は消火器を取り扱うための資格です。乙種はこれらの整備、点検ができます。甲種は整備、点検に加え、工事ができます。初心者の方ならば、受験資格が不要でかつなじみやすい乙種第6類がおすすめです。
    都道府県ごとの試験スケジュールは、実施団体(一財)消防試験研究センターのホームページから確認できます。なお、乙種につきましては受験資格は不要ですが、甲種は一定の学歴もしくは一定の実務経験が必要です。
Q4.二級ボイラー技士の試験は、全国7か所でしか行われていないのはなぜですか?
A4.
    試験が行われる安全衛生技術センターが、全国7か所にしかないためです。東京都がある関東地方では、千葉県市原市で試験が実施されます。
    二級ボイラー技士の試験は全国7か所ですが、どの地方でもほぼ月に一度実施されています。
    地方ごとの試験スケジュールは、実施団体(公財)安全衛生技術試験協会のホームページ確認できます。なお、受験資格は不要です。
Q5.仮に11月開講から申込した場合、受験はいつ頃がおすすめですか?
A5.
    「危険物取扱者受験講座(乙種)」は3か月コース(レポート提出回数3回)なので、例えば11月下旬、12月下旬、翌年1月下旬にレポートを提出され、要件を満たすことができたら、2月に修了となるので、2~4月の受験がおすすめになります。
    「危険物取扱者受験講座(甲種)」、「消防設備士受験講座」(乙種・甲種)、「二級ボイラー技士受験講座」は4か月コース(レポート提出回数4回)なので、例えば11月下旬、12月下旬、翌年1月下旬、2月下旬にレポートを提出され、要件を満たすことができたら、3月に修了となるので、3~5月の受験がおすすめです。
JTEX各講座の案内は、下記よりご覧ください。

いかがでしたか。参考になりましたでしょうか。
この機会に、ぜひJTEXの資格取得準備通信教育講座で、国家資格取得を目指してみませんか。



鬼平犯科帳連載について

JTEXメールマガジンでは、石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした「新鬼平随想録」を1話ずつお届けします。息抜きにご一読いただければ幸いです。

作者の池波正太郎氏は19歳のとき(昭和17年)、小平の国民勤労訓練所(戦後の中央職業訓練所)に入り、萱場製作所で2年間、四尺旋盤を使って飛行機の精密部品を作り、そのとき体で覚えたものつくりの手順で、『鬼平犯科帳』を書いたといいます。
このように、この小説の背景は意外に深く、皆様もこの作品から学ばれる点が多いと思います。



第5回 蛇の眼

    平蔵が長官としての断固たる決意を初めて明かすのは、第9話の『蛇の眼』(『オール読物)』昭和43年8月号。文春文庫2巻)である。

    友人の病気見舞の帰途、平蔵が本所・源兵衛橋の蕎麦屋へ入ると、小男の先客がおり、勘定を払う際にちらと、横眼で平蔵を見た。その眼の色は相手が平蔵と知っており、「お先に」と笑顔でいう両眼には、一瞬前に平蔵への憎悪が走ったような気がした。窓から客を見ると、橋の中央でこちらを振り返り、さらに乞食に施しをする。

    平蔵の勘ばたらきは凄く、何人もの盗賊を逮捕した実話が残っているが、この時もすぐ外へ出ると、客がおらず、橋を渡り、まっしぐらに駆けた。これを橋下の水に潜り、逃がれた小男は、その後大川へ泳ぎ出るにつれ、帯と着物を頭に乗せ、事もなげに大川を泳ぎ渡って行った。これが去年以来平蔵を暗殺せんとした大盗・くちなわの平十郎とは、平蔵も思っても見なかった。

    蛇は大仕事を成功させるため、本郷の顔役・三の松に平蔵暗殺を頼んだが、2回とも失敗した。特に2回目は平蔵が白刃を下げて雷神党本拠へ打ち込み、浪人8人全員を斬り倒した。

    町奉行所からも「長谷川だとて、昔若き頃は無頼の群れへ入って悪事を働いたというではないか。それが今、ろくな調べもせず、自ら刃をふるって賊を斬り捨てるという。お上のなすべきことではない」と批判が出た。

    これに対し平蔵は、「世の中の仕組みが俺に荒っぽい仕事をさせぬようになれば、いつでも引き下ろう。だが今は一の悪のために十の善が亡びることは見逃せぬ。悪を知らぬ者が悪を取り締まれるか」とびくともしなかった。

    ところで蛇は、元将軍侍医・千賀道有の屋敷に狙いをつけ、2年前から近くの日本橋・高砂町で印判司を営んできた。一味の者が多数平蔵を恐れて江戸を去ったが、精鋭が6名いるし、暗殺で150両を使ったし、平蔵への意地もある。急ぎ働きをすることとし、その日を占わせると、6月20日、22日が吉と出た。20日と決めた時、蛇の両眼が飛び出し、銀色に光った。

    他方平蔵は、故千賀道有の孫・道栄から、老中・田沼意次おきつぐと親しかった祖父の遺した金銀6千8百両を幕府へ返上するので、医学の発展に使ってほしいという相談を極秘裡に受け、老中・松平定信に言上ごんじょうしたところ、一任されたので、20日の午前中、表向きにならぬように女駕籠かご2つと行列を千賀屋敷へ送り込み、金銀を勘定所へ運び込ませた。

    その夜、蛇一味の1人が恋仲の下女に千賀屋敷の戸を開けさせて入り、残りの5人を招き入れた。一味は次々と人を殺し、道栄に蔵を開かせたが、結局この若き有能な医師をも殺し、30両を奪って屋敷から消えた。

    21日になって別件で逃走中の一味の座頭が逮捕され、22日には千賀屋敷の22名皆殺しの惨状が発見され、猿ぐつわで縛られた下女が救出された。二人の証言から小田原の水之尾に一味の盗人宿があることが分かり、23日平蔵は同心6名と馬を乗り継ぎ、夜に水之尾に到着した。24日一味が到着すると、平蔵は「蛇は俺がる。あとは皆斬って捨てい」と命じ、大手を広げ、蛇の眼をした小男に組みつくと、凄い音を立てて男の両腕の骨が折れ砕けた。

     ところで火付盗賊改め方は江戸市中及び近隣諸国を巡回し、放火、盗賊、博奕ばくちを取り締まり、犯人の逮捕、裁判を行った。将軍の警護等に当たる軍隊である先手組(弓11組、鉄砲24組)は、その内1組(冬期は2組)が加役かやくといって改め方を務めた(『国史大辞典』)。そして長谷川平蔵は、「至りて精勤。町々大悦だいえつの由。今では長谷川が町奉行の様にて、町奉行が加役の様に相成り、町奉行だいへこみのよし。何もかも長谷川にせんをとられ、是これではかなわぬと申し候由」と、町民には大変評判が良かった(『よしの冊子そうし』)。




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2023年10月12日