毒物劇物取扱者 試験日程

毒物取扱者試験は、全国一斉に行われるものではありません。都道府県ごとに年に1回実施されますが、試験実施時期、試験方法などは各都道府県によって異なります。詳しくは各都道府県の問い合わせ先もしくは保健所等にお問い合わせください。
なお、各都道府県のホームページには、試験の情報が掲載されています。

毒物劇物取扱責任者とは・取得するメリット

毒物劇物取扱責任者とは

近年、我が国において毒物および劇物による死傷事故がたびたび起きています。取り扱いを一歩間違うと人体に対して極めて重大な健康被害を引き起こす毒物および劇物ですが、そもそも毒物・劇物にはどのような種類があるのでしょうか？
毒物劇物を取り扱うためには国や都道府県に登録、許可、届出が必要となり、対象となる毒物劇物は、毒性の強い順から「特定毒物」「毒物」「劇物」に分類されます。それぞれの代表的な化学物質は以下のようなものが挙げられます。

産業界においては、このような化学物質を含む、合成樹脂、合成ゴムの製造業で用いる溶剤、各種部品に用いる表面処理剤、医薬品、農薬、そして家庭用として防虫剤、殺虫剤などがたいへん幅広く多岐にわたって利用され、もはや社会生活において無くてはならないものとなっております。
このため、毒物および劇物を取り扱う場合、毒物劇物営業者は毒物又は劇物による保健衛生上の危害の防止や盗難や紛失を防ぐ目的で、その事業所ごとに専任の毒物劇物取扱責任者を設置しなければならないとされています。

毒物劇物取扱責任者になるには、薬剤師免許を取得する方法、高等学校等で応用化学に関する過程を修了する方法、各都道府県が実施する毒物劇物取扱者試験に合格する方法の3通りがあり、全国で多くの資格保有者が活躍しており、取得するメリットとしては下記が挙げられます。

毒物劇物取扱責任者 取得するメリット

• 化学物質の取扱いに関する法令の知識を学ぶことができる。
• 化学物質の取扱いについて、安全性確保のための管理体制を習得することができる。
• 毒物劇物取扱責任者は専任資格なので、企業や施設における安全管理の責任者として就職・転職する際に有利である。
• 化学物質の取扱いに関する問題が起こった際に、事故の発生予防や事故後の対応が迅速かつ適切に行えるようになる。

毒物劇物取扱責任者の業務・働く業界

専任された毒物劇物取扱責任者の実務としては、「毒物劇物の製造、運搬、陳列、貯蔵のための設備基準が法令に遵守されているかの点検や管理」、また、「毒物劇物の表示や着色などが規定通りに行われているかの確認」、「毒物劇物の紛失、漏出などがないように防止措置の立案・運営」、「運搬、廃棄の技術基準が適合されているかの点検」等があげられます。その他、事故時の応急措置に必要な設備器材の点検、管理や周辺事業所との連絡、保健所への届出、従業員の教育訓練、業務日誌の作成など毒物劇物を安全に取り扱うために必要な多岐に渡る業務を行います。

ここからは毒物劇物取扱責任者の活躍できる業界を見ていきましょう。 　毒物劇物取扱責任者の資格保有者は、毒物や劇物に該当する薬品を取り扱う仕事で活躍しています。

農業

毒物劇物取扱者試験には農薬を中心とした知識の有無が問われる「農業用品目」のコースが設けられています。農薬を扱うホームセンターの販売に従事する方や、全国に設けられている農協でも毒物劇物に該当する農薬の取扱いにあたり、毒物劇物取扱責任者の専任が義務付けられていることから、資格保有者が年々増えている業界といえます。

工業薬品の製造・販売

塗装に使用する工業薬品やその原料の多くは毒物・劇物に指定されています。その製造や販売に従事する方の多くが毒物劇物取扱責任者資格を取得しています。業務上必須資格ということで、入社後に社内教育を行うことにより、資格保有者を増やそうとしている企業も多いです。

ビル・マンション保守

ビル管理業界では、ビルの清掃や害虫駆除、各種設備管理業務、廃棄物取扱い等の業務において、毒物劇物の知識を活かすことができます。企業によっては、会社が資格取得を推奨しており、資格保有手当を支給する場合もあるでしょう。

廃棄物処理

毒物劇物の処理・廃棄の方法は化学物質ごとに細かく規則が定められているため、産業廃棄物や化学物質、薬品の廃棄を専門に扱う廃棄物処理業では毒物劇物取扱責任者を専任としている企業が非常に多いです。

上記した業界以外にも、医薬品・化粧品メーカー、製薬会社の研究開発施設、毒物劇物を運搬するトラックの運転業務、輸出入業、クリーニング業、消防などが、毒物取扱責任者の資格を活かせる業務といえるでしょう。

毒物劇物取扱者試験について

毒物劇物取扱者試験は、都道府県ごと年1回実施する国家資格で、「毒物及び劇物に関する法規」、「基礎化学」、「毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱方法」について出題されます。

試験概要と受験資格

※欠格事項の該当者（例えば、18歳未満の者）でも、試験の受験は可能です。しかし、18歳未満の者が合格しても、18歳以上になるまでは毒物劇物取扱責任者となることはできません。

試験の種類

下記の3つの種類に分かれます。この中で、毒物・劇物の製造に携わることができるのは一般 のみです。

一　般

全ての毒物又は劇物の取扱い、全ての業種（製造業、輸入業、販売業）の毒物劇物取扱責任者 となることができます。

農業用品目

農業用の毒物又は劇物の取扱いを行う輸入業、販売業の毒物劇物取扱責任者となることができ ます。多くの都道府県において講習終了後、農薬管理指導士となることができます。

特定品目

特定品目の毒物又は劇物の取扱いを行う輸入業、販売業の毒物劇物取扱責任者となることがで きます。「内燃機関用メタノールのみの取扱いに係る特定品目」の試験がある場合があります。

試験科目（筆記試験・実地試験）

1. 筆記試験
• 毒物及び劇物に関する法規
• 基礎化学
• 毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱方法
2. 実地試験
• 毒物及び劇物の識別及び取扱方法

試験方法（試験時間・出題数・出題形式）

試験時間は概ね1時間半～2時間半、出題数は概ね60～80題、出題形式は主に多肢択一（四肢択一・五肢択一）、記号の選択です。

ここまで、全国的に需要の高まっている専任資格である「毒物劇物取扱責任者」に関しての各種説明をしてきました。毒物劇物取扱者試験の難易度としては、専門のスクールに通わないと決して取得ができないといった難関資格ではなく、JTEX通信教育を活用した自学自習で十分に合格することが可能です。皆さんも資格取得することでメリットが多い、毒物劇物取扱責任者資格取得に向けて、今日から勉強を始めてみましょう！

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