エネルギー管理士とは
取得するメリット・
業務内容・試験概要・合格率等を詳細解説!
エネルギー管理士は、2006年に省エネ法により定められた国家資格で、工場内のエネルギー使用方法の改善、管理をするための国家資格です。規定量以上のエネルギーを使う工場には、本資格を所持する者がいなければいけないと定められています。以前は熱管理士、電気管理士と別個の資格でしたが、現在はエネルギー管理士(熱分野/電気分野)としてまとめられました。
ここではエネルギー管理士試験に向けて勉強するメリットや、試験の詳細を解説していきます。
目次
エネルギー管理士とは
エネルギー管理士は経済産業省が管轄している「エネルギー使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」で規定される国家資格です。試験は1997年から実施されており、「一般財団法人省エネルギーセンター」により運用されています。
省エネ法では1年で一定量以上のエネルギーを使用する事業所に対し、エネルギー管理士を配置することが義務付けられていますので、資格保有者は各種プラントや工場をはじめ,オフィス・病院・ホテル・デパートなどでエネルギーに関わる仕事ができるようになります。
上記を踏まえると、エネルギー管理士は資源が乏しい日本において、少ない資源を浪費することがないよう、合理的なエネルギーの使用を管理する重要な資格といえるでしょう。
エネルギー管理士の働く業界
エネルギー管理士は第一種エネルギー管理指定工場と言われる、エネルギー使用量が原油換算で年間3,000Kl以上使う大規模な工場で必要とされ、工場・プラントなどの製造業,ゼネコン・サブコンなどの建設・設備業で活躍しています。(石油・化学製品・食料などを製造する大規模施設のことをプラントといいます。建築工事や土木工事を行うのがゼネコン,設備工事の下請けを行うのがサブコンです)上記以外にも,電力や石油精製など直接的にエネルギーに関わるインフラ業界,ビルや大規模な商業施設などでもエネルギーに関係する場面で就業が可能です。
エネルギー管理士取得のメリット
エネルギー管理士を取得するメリットは,大きく分けて2つあり、どちらも各種業界で勤務する上で,自身のスキルアップ・ステップアップに繋がります。
就業できる業務の幅が広がる
エネルギー管理者とエネルギー管理員は,エネルギー管理士でないと従事できず、また、活躍できる施設の幅が広いため、今後ますます必要とされる資格であることは間違いないでしょう。
また、エネルギー管理士と関係性のある仕事として、空調やボイラーなどを管理し、工場設備の安全性を保つ「保全作業員」もあげられます。電力や熱源の管理も業務内容には含まれるので、エネルギー管理士の資格があると業務上優遇されることも多いです。そのほか、経費削減に関するコンサルティング業務など、エネルギー管理士としての知識を生かした仕事に就きやすくなることで、業務の幅は大幅に広がります。
未経験分野への就職や転職に役立つ
エネルギー管理者は大規模な施設では必須となる資格です。工場等での仕事に就くためには、専門的なスキルや知識を問われる場面が多く、未経験者は採用段階で不利になるケースも少なくありません。しかし、エネルギー管理士のように特別な資格の保有者は、今までのキャリアに関係なく自身の能力をアピールできることも多いです。大きな工場等の施設を持つ企業の求人に,優遇資格として挙げられることもある資格ですので、そのような企業においては就職・転職の大きな足がかりとなることでしょう。また、この求人は絶えず存在するため、仕事に困ることは少なくなると考えられます。
エネルギー管理士の業務内容
エネルギー管理者とエネルギー管理員は、国家資格であるエネルギー管理士の免状を持つ方だけが就ける職種であり、エネルギー使用量の管理・合理化を進めていく役割を担います。
電力をはじめとした工場で消費されているエネルギー量を正確に把握し無駄を見極め、過剰になっているエネルギー使用を指摘するだけでなく、具体的な省エネ施策を経営者に進言してコスト削減へと導いていきます。経営者に意見を伝える際には、削減効果の程度やメリットなどを具体的に伝えることも重要になってきます。
また、任命されたエネルギー管理者は,国に提出する「定期報告書」と「中長期計画書」に関わる業務に携わることとなります。これらは、国にエネルギーの使用量や今後の計画を報告する必須の書類です。そのため、内容は正確かつ工場の将来をしっかり踏まえている必要があり、こちらの作成も省エネの実現に向けての重要な業務と言えるでしょう。
エネルギー管理士試験について
ここからは実際に行われる試験範囲について説明していきます。
エネルギー管理士試験は、熱分野と電気分野の2つの区分が設けられています。どちらを選択した場合でも、試験に合格すればエネルギー管理士の免状を取得できます。熱分野で合格した方は、電気分野をあらためて受験する必要はありませんし、逆も同様です。
学習を始める際には、ご自身の得意な分野の試験を選んで学習を進めましょう。
試験概要と受験資格
試験日 | 7月後半から8月上旬 |
---|---|
受験料 | 17,000円(非課税) |
試験方式 | マークシート |
合格ライン | 各科目60%以上 |
試験時間 | 380分 |
受験資格 | 特になし |
免状申請 | 実務経験1年以上(合格後でも可) |
熱分野試験科目
- エネルギー総合管理・法規
- 熱と流体の流れの基礎
熱力学・流体工学・電熱工学 - 燃料と燃焼
燃料・燃焼管理,燃料計算 - 熱利用設備・管理
計測・制御、熱利用設備
電気分野試験科目
- エネルギー総合管理・法規
- 電気の基礎
電気・電子理論,自動制御・情報処理、電気計測 - 電気設備及び機器
工場配電,電気機器 - 電力応用
電動力応用、(選択)電気加熱・電気化学・照明・空気調和
試験情報の検索は (一財)省エネルギーセンターホームページにてご確認ください。
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